外国に帰化した人が相続放棄したい場合に必要な書類とは!?

あなたは「国際相続」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。最近は、海外に移住したり外国人と結婚したりして国籍が変わる日本人が増えてきたことによって相続の形が変化してきています。国と国をまたいで相続が行われる場合、それは「国際相続」と呼ばれます。

米子
わたしはアメリカ人男性と結婚しアメリカ国籍を取得しました。今はアメリカに住んでいますが、ずっと元気だった父が突然亡くなり、これから日本に行く予定です。

こうした状況は誰にでも起こり得ます。突然のことで、ショックでいっぱいになることでしょう。まず、最後のお別れをなさってください。葬儀の後はすぐに相続手続きの話し合いにうつるはずです。

遺産を相続する人もいれば、相続を放棄する人もいますよね。日本国籍の故人の遺産を相続したくない場合には、どんな書類が必要となるのでしょうか。いったいどちらの国の法律にしたがえば良いのか、難しいイメージがありますよね。

今回は国際的な相続放棄のために必要な書類についてご紹介します。通常の相続放棄において必要な書類についてはこちらの記事でご紹介しています。

相続放棄する際に必要な書類まとめ これを揃えて裁判所へ!

2019年9月19日

 

「国際相続」では、どの国の法律にしたがうべき?

法務省が公開している「法の適用に関する通則法」では、このように述べられています。

第三十六条  相続は、被相続人の本国法による。

引用:電子政府の総合窓口

被相続人つまり亡くなった人の国籍が重視されるようですね。つまり、亡くなった人が死亡当時に日本国籍だったのであれば、あなたが海外の国籍を取得していて日本国籍を喪失していたとしても日本の法律にのっとって相続手続きが行われるということです。

相続放棄の手続きも同じようにいえますよね。

米子
わたしはアメリカ人ですが、父が日本人なので日本の法律にしたがえばいいんですね。

それでは、日本の法律にのっとって必要な書類を準備していきましょう。

 

国際的な相続放棄において必要な書類とは?

通常、以下の書類が必要となります。

国際的な相続放棄において必要な書類
  • 相続放棄申述書
  • あなたの除籍謄本と亡くなった人との関係が証明できる戸籍謄本
  • 被相続人(亡くなった人)の住民票除票
  • 居住証明書
  • 署名証明書

この中でも日本で取得できるものと、あなたが国籍を持つ国で取得できるものの2つに分けられます。順に追って見てみましょう。

儀不斗
すでにお気づきかも知れませんが、国際的な相続放棄の場合、日本国内で完結する相続放棄よりも手間も時間もかかります。

他の相続人に協力してもらうこと、状況によっては専門家に頼ることをおすすめします。

日本で取得できる書類

日本で取得できる書類は3種類あります。

・相続放棄申述書

相続を放棄したいというあなたの意思を表明する書類で、800円の収入印紙を貼って裁判所に提出します。相続放棄申述書は裁判所のホームページからダウンロードが可能です。

・あなたの除籍謄本と亡くなった人との関係が証明できる戸籍謄本(2部ずつ)

通常の相続放棄の際には、被相続人と相続人との関係を証明するために相続人の戸籍謄本の提出が求められますよね。でもあなたの戸籍は日本にありません。

そこで、戸籍謄本のかわりに日本国籍を喪失したことが書かれている除籍謄本が必要になります。

加えて、亡くなった人とあなたの関係を証明するために必要な戸籍謄本をすべて取得する必要があります。

亡くなったのがあなたの親であれば、あなたの除籍謄本だけで構いません。除籍謄本に両親の名前と続柄の記載があるからです。

亡くなったのがあなたの親ではなく、例えばあなたの祖父母の場合、除籍謄本に加えて両親と祖父母の関係を証明する戸籍謄本も必要になります。そのようにして、戸籍をたどって取り寄せていかなければならないのです。

それにしても、なぜ複数取得しなければならないのでしょうか。それは、次にご紹介する被相続人(亡くなった人)の住民票除票を取得するためにもこれらの書類が必要になってくるからです。

・被相続人(亡くなった人)の住民票除票

この書類を取得するためにも、あなたの除籍謄本と亡くなった人との関係が証明できる戸籍謄本が必要になります。

あなたが外国籍を取得しているということは亡くなった人とは世帯が別になっていますよね。世帯が別の場合、被相続人の住民票除票を取得するためにはあなたが相続人であることを証明する戸籍を提出しなければならないからです。

外国の在外公館で取得できる書類

ここからは、外国にある「日本国大使館」や「日本国総領事館」といった在外公館で取得できる書類を2種類紹介します。

米子
アメリカに帰ったら、日本大使館でまとめて申請したらいいんですね。

・居住証明書

日本における住民票のかわりとなるものです。

「在留証明書なのではないか」と思うかも知れませんが、日本国籍を喪失した人は在留証明書の発行対象外なのです。かわりに居住証明書が発行されます。

・署名証明書

日本における印かん証明書のかわりとなるものです。

日本では印かんが本人の証明に大きな効力を持ちますが、外国では印かんに代わってサインが本人であることを証明してくれます。それで、印かん証明書のようにそのサインがあなたのものであることを証明してくれる、署名証明書が必要になります。

注意
書類を取得するために必要になる書類は、それぞれの在外公館で異なるようです。直接問い合わせてから出向いてくださいね。 

参考:外務省ホームページ

 

相続放棄のための書類提出方法

相続放棄申述書の裁判所への提出は郵送でも可能ですので、国際郵便を活用しましょう。

あなたが親族の不幸を知って日本に行く前、まだ外国にいる段階で在外公館で必要書類を取得できていればそのまま日本で書類を提出できますが、そんな余裕はありませんよね。

おそらく葬儀の後に日本で書類を集めてから外国に戻り、在外公館でまた書類を集める、という段階をふむことでしょう。書類を集め終えたら、国際郵便を活用するのがおすすめです。

 

まとめ

国際的な相続放棄は難しいものです。国際相続に強い税理士や弁護士、行政書士や司法書士に頼ることも視野に入れてみてください。

以下は必要書類に関するまとめです。

国際的な相続放棄において必要な書類

【日本で取得できる書類】

  • 相続放棄申述書
  • あなたの除籍謄本と亡くなった人との関係が証明できる戸籍謄本
  • 被相続人(亡くなった人)の住民票除票

【外国の在外公館で取得できる書類】

  • 居住証明書
  • 署名証明書
米子
あとはアメリカに帰って書類を集めます。ありがとうございました。
儀不斗
胸中、お察しします。手続きをスムーズに終えられるよう祈っています。
 

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