法事を執り行う際、僧侶にお経をあげてもらった感謝の気持ち(謝礼)として、お布施(おふせ)をお渡しします。
お布施を渡す必要があることは知っていても、実際に自分がお渡しするとなると「詳しいことはよく知らない」という人も多いのではないでしょうか?

お布施はただ渡せばいいというものではなく、お世話になる僧侶に失礼にならないように、押さえておきたいマナーがあります。
今回は、法事のお布施の渡し方について説明していきます。
Contents
法事のお布施の渡し方のマナーとは?
お布施は、仏教の法要の際に僧侶にお渡しする、謝礼金にあたります。
葬儀や初七日、四十九日法要後も、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌…と続きますが、毎回、法要があるたびにお布施をお渡しします。
僧侶とは長くお世話になりますので、感謝の意を込めて用意し、失礼のないようにお渡ししましょう。
今日お伝えしていく、お布施の渡し方には大切なポイントはたくさんありますので、まずここで、大まかなポイントをまとめておきます。
法事のお布施の渡し方 ポイント
①お布施の金額は、どんな法事かによって違います!事前に要確認です!
②お布施で用意するお札は、法事の場合は新札を用意しましょう!
③白無地の封筒を用意しましょう!
④表書きは、黒墨で書きましょう!
⑤お金は、お札の顔が正面を向く方向にいれましょう!
①お布施を渡すタイミングは、できれば法事が始まる前。ただし、法事後でも問題はなし。
②お布施は、お盆や袱紗に乗せて渡しましょう!
事項から、ポイントの内容を解説していきます。
詳しくみていきましょう!
【準備編①】お布施の金額は法事によって違う!
お布施の額は法事の種類によって相場が異なります。
四十九日や一周忌のような重要な法事
→3~5万円程度
納骨式や三回忌以降
→1~5万円程度
年忌法要以外に祥月命日に供養を行う場合
→5000~1万円程度
四十九日の法要のときに納骨式を行った場合、お布施は、四十九日法要の分と納骨式の分を別々に用意する必要があります。
【準備編②】お布施は新札を用意しましょう!
お布施は、前述したとおり、僧侶への感謝の気持ちとして渡すものです。
ですので、お札は新札で用意しましょう。

間違えないようにしないといけないですね!
【準備編③】お布施は、白無地の封筒にいれましょう!
お札は、半紙で包み、その上から奉書紙で包むのが最も丁寧な方法とされています。
奉書紙とは、楮という植物を原料として作られている真っ白な和紙のことで、現在では楮ではなくパルプ製の奉書紙もあります。
しかし、奉書紙が手に入らないこともあると思います。
その場合は、市販の封筒を使ってもマナー違反ではありません。
今回は、手に入りやすい市販の封筒に入れる方法について、お伝えします。
市販の封筒に入れる方法
封筒は白無地の物を選びましょう。
白い封筒でも、郵便番号を書く枠が印刷されているものはNGですので、くれぐれもお間違いないように。
水引については地域によって異なり、白黒や双銀の水引を用いる地域や黄色と白が一般的な地域など、地域の風習によってさまざまですので、地域にあわせたものにしましょう。

【準備編④】表書きは黒墨で!「御布施」もしくは「お布施」中袋には住所・氏名・金額を書く!
表書きは、必ずしも必要ではなく、何も書かなくてもいいとされています。
ただし、表書きを書いた方が丁寧に受け取られるかと思います。
表書きの書き方

書く場合は黒墨をつかい、「御布施」「お布施」と書きましょう。地域によっては、「御礼」や「御回(廻)向料(ごえこうりょう)」と書くこともあります。
表書きの種類に「志(こころざし)」もありますが、お布施の表書きとしては使用しません。
すでに文字が印刷されている封筒も販売されていますよ。
薄墨は、葬儀の際の香典などで使用します。
薄墨を使う理由背景としては、「悲しみの涙で墨が薄れる」「突然のことで墨をする時間がない」などの意味合いが込められています。
法事でのお布施は「謝礼」であって悲しみを表すものではないですし、充分準備のできる行事であるので、黒墨を使う場面であると、覚えておきましょう。
施主の名前は、フルネームか苗字のみで書きます。施主のみの名前を書くのが基本ですが、場合によっては施主以外の名前を連ねて書くこともあります。
その場合、封筒の表面に書く名前は最大3名までが一般的です。
立場の上の人から順に右側から書き、上下関係がない場合は五十音順に書きます。
中袋の書き方

中袋がある場合には、表には中に入れた金額、裏面の左側には住所、氏名、電話番号を書きましょう。
このとき、金額は漢数字を用い、「一万円」は「壱萬圓」とするなど旧字体(大字)にするのが一般的です。

圓の下に「也(なり)」をつける人がいますが、現在では「也」は不要です。
読み(現代漢字):旧字体(大字)
いち(一):壱
に(二):弐
さん(三):参
ご(五):伍
じゅう(十):拾
にじゅう(二十):弐拾
ひゃく(百):佰
せん(千):仟
まん(万):萬
えん(円):圓
中袋のない封筒の場合
白無地の封筒であれば、中袋はなくても構いません。
地域や風習によっては、「重ね重ね不幸が起こらないように」という気持ちをこめて、中袋のある封筒はあえて使わず、白無地の封筒1重のみとする場合もあるようです。
中袋のない封筒にお布施を入れる場合は、表書きは書かなくても問題ないですが、書く場合は、表には「お布施」とフルネームor姓のみ、裏には右側に金額、左側に住所・氏名・電話番号を書きましょう。

【準備編⑤】お金はお札の顔が正面を向く方向にいれましょう!
お布施を包む際にはお札の向きを揃えて入れましょう。
このように、お札の肖像画の顔が奉書紙や封筒の表書きの側に向き、上になるようにします。

【お渡し時マナー編①】お布施を渡すタイミングは?
お布施を渡すタイミングには、3パターンが考えられます。
②法事が始まる前、僧侶にお茶を出しに行ったときに渡す。
③法事の後、僧侶が帰るまでの間に渡す。
お渡しするタイミングは、施主側のタイミングでよいというのが結論です。昔は①のように、法事の前日などに施主がお寺に出向き、お渡しすることが多かったようで、1番丁寧ですね。
しかし、今は、②の法事が始まる前に僧侶に挨拶に行く時間があれば、そのときにお布施を渡すことが一般的です。
ただし、法事が始まる前は僧侶も準備をしていたりして、タイミングが掴めない場合もあるかもしれません。時間があまりなかったときは、③の法事が一通り終わったあとにお渡ししても問題ありません。法事によっては受付が用意されていることもありますので、そのときは受付の人にお布施を渡します。
こちらの動画では、お布施を渡すタイミングについて紹介されていますので、参考にしてみてください。
【お渡し時マナー編②】お布施を手渡しは失礼!お盆や袱紗に乗せて渡しましょう!

お布施をそのまま手渡しすることは、不躾な印象を受けます。お布施を差し出す際には、切手盆と呼ばれるお盆にのせて渡すか、袱紗から取り出して渡すようにしましょう。
切手盆とは、祝儀袋やお布施を渡すときに使う小さな黒塗りのお盆です。
冠婚葬祭で使用しますので、1つ持っておくと便利です。
仏事で使う切手盆は、お布施の封筒がぴったりはまる小さめのサイズ(一般的な大きさは8号と表記のあるもの)がオススメです。
お布施を袱紗で包んでから切手盆にのせて渡すのが、もっとも丁寧なやり方ですが、多額の金額でなければ袱紗に包まなくても問題はないでしょう。
切手盆を使ってお布施を渡す方法は、地域や宗派によって細かな部分で異なることがありますが、一般的な流れを次にお伝えします。
↓
お渡しする前に、お盆のごとぐるっと回し、僧侶側から見てお布施が正しい向きになるようにします。
↓
僧侶に感謝の言葉とともに差し出します。
↓
僧侶がお布施を受け取り、切手盆をそっと返したら、受け取って下げます。
たたんだ袱紗にのせて両手で僧侶に差し出します。
このときもお布施の向きに注意しましょう。
僧侶から見てお布施が正しい向きになるようにして渡します。
僧侶がお布施を受け取ったら、袱紗を片付けます。

紫の袱紗は、慶事にも弔事にも使うことができますので、どちらにも使える紫の袱紗は、1枚あると便利ですよ。
また、お渡しするときには、簡単な言葉で構いませんので感謝の気持ちを添えるようにすると良いでしょう。
たとえば、
こちらの動画では、お布施の渡し方のマナーについて紹介されていますので、ご参考になさってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
本日のポイントをおさらいしましょう。
【準備編】
①お布施の金額は、どんな法事かによって違います!事前に要確認です!
②お布施で用意するお札は、法事の場合は新札を用意しましょう!
③白無地の封筒を用意しましょう!
④表書きは、黒墨で書きましょう!
⑤お金は、お札の顔が正面を向く方向にいれましょう!
【お渡し時マナー編】
①お布施を渡すタイミングは、できれば法事が始まる前。ただし、法事後でも問題はなし。
②お布施は、お盆や袱紗に乗せて渡しましょう!
なお、法事のお布施の渡し方を始めとしたマナーは、地域や家によって異なることがよくあります。
不安なことがあれば、地域の慣習をよく知る親族などに相談して確認してみてください。
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