法事の施主になると、何かと初めてのことに直面しますよね。大切な行事だけに、暗黙のルールやマナーにも敏感にならざるを得ないと思います。
私の知人にお寺の息子さんがいるんですが、彼から『香典返しののしを間違えて、親族から白い目で見られてしまった人がいた』という話を真顔で聞かされ、ぞっとしたことがあります。法事にまつわるトラブルは非常にデリケートなことなので、些細な間違いにはくれぐれも気をつけたいものです。
今回は、法事のお返しに使うのしの基本的な書き方をまとめました。最低限この知識が頭に入っていれば、少なくとも関係者との間に亀裂が入るほどの失敗の恐れはないでしょう。
尚、宗派や地域によって形式が違うことがあるので、細かい違いについては近くのギフトショップに問い合わせれば、ほとんどの場合親切に教えてもらえます。
Contents
のし紙(掛け紙)

↑のし(引用:Yahoo!ショッピング)
のし紙(掛け紙とも言う)は、基本的に白黒の結切の水引のものを用います。
一方、西日本では黄白の水引を使う地域が多く、また『三回忌以降は黄白や青白を使う』といった宗派や地域もあるので、法事の返礼品を扱っているギフトショップなどへ念の為問い合わせるといいでしょう。
外のし/内のし
のしの付け方には「外のし」と「内のし」の2種類があります。外のしとは、贈り物を包む包装紙の外側にのしを付けたもの。内のしはその逆で、のしの上から包装紙で包んだものです。
内のしはより控えめな表現となるので、法事などの忌事では内のしにする方が基本的です。
表書き
法事でお供えを頂いた方々にお渡しする礼品の熨斗への表書きは何がふさわしいのか迷ったけど「粗供養」でよかったよね。あとは「志」か。
— 重量子エンジン稼働体 (@juuryousiengine) January 24, 2019
のしの表書きは、手書きでも構いませんが、事前に印刷されたものを購入する方が無難です。尚、手書きする場合は、筆や筆ペンを使用するのが通常です。サインペンでも許容範囲内ですが、ボールペンや鉛筆はNGです。
薄墨を使う?
法事のお返しののしの表書きには、特に薄墨を使う理由はありません。薄墨は、「あまりに突然の出来事で、墨を擦っている暇がなかった」「涙で墨が薄くなってしまった」という意味合いを込めて使われるものです。
その為、予め日程がわかっている法事においては、普通の黒墨を使うのが通常です。
「志」「粗供養」
法事のお返しの場合、水引の上に「志」と書くのが一般的です。「志」とは、平たく言えば「気持ち」という意味で使われる字で、「感謝の気持ち」「受け取って欲しい気持ち」といった思いが込められているようです。
一方、「志」の代わりに「粗供養」と書く地域もあります(主に西日本の方)。粗供養とは、葬儀や法要に来てくださった方への感謝の贈り物を意味します。
また、『香典返しなら志、引き物なら粗供養』といった使い分けをしている地域もあります。通常は施主の地域の慣習に則って使い分けます。ここについてもギフトショップ等で確認しておいた方が無難です。
名前の書き方
施主の名前は、「志」(または「粗供養」)の真下に、水引を挟んで下側に苗字のみ書きます。下の名前は書かず、「家」も付けないのが一般的ですが、家族みんなで費用を出し合って法事を行う場合などは、「一家からの贈り物です」という意味で「家」を付けても構いません。
尚、関係者の中に同じ苗字の人が沢山いる場合など、紛らわしくなる恐れがある場合は、施主のフルネームを書いても問題ありません。
また、施主の苗字が変わって、故人の方と異なる場合などは、混乱を避ける為、現在の苗字の下に()内に旧姓を書きます。
年忌法要名
事情によっては、「志」(または「粗供養」)の右上に「亡父 一周忌」など、その時の年忌法要名を書くこともありますが、省略するのが一般的です。
法事が2つ以上重なる場合
法事が2つ以上重なる場合は、「志」(または「粗供養」)の右上に、「亡父 一周忌」「亡母 三回忌」のように、誰の何回忌かを伝える一文を並列で書きます。
まとめ
- 法事のお返しののしは白黒で結切の水引
- 水引の上に「志」または「粗供養」
- 名前は施主の苗字のみを書く
- ↑これらを踏まえ、『この地域の慣習がどうなっているか』ギフトショップに確認を!
法事のお返しに付けるのしの注意点はこんな所です。実際に返礼品を取り扱うギフトショップに問い合わせればほぼ確実ですが、何も確認せずに発注すると、一番スタンダードなのしが付けられて来るので要注意です。
法事にまつわる贈り物には、単なるプレゼントとは全く異なる意味が込められているので、慎重に扱いたいところですね。
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