「家族葬」という言葉をご存じですか?
近親者のみで行われる、小規模な葬儀のことを指す言葉です。私もよくわからなかったのですが、ふと思い出したのがテレビのCMでした。
おじいちゃんの遺影があり、孫がいて、「静かにお見送りできる新しいお葬式」といったような内容だったと思います。何の気なしに見ていましたが、今思えばこれは「家族葬」のCMだったのかもしれません。
私も知らなかったように、家族葬が行われているケースはまだ少ないのでは、と思います。実際に友人や知人から「家族葬に参列したことがある」という話を聞いたことがありません。
一般的な葬儀が多い中、突然「近親者のみで葬儀を行います」と連絡がきたらパニックになりますよね。
「近親者のみの葬儀」いわゆる「家族葬」は、参列する場合もしない場合も、葬儀の案内がきた時から注意が必要なんです。一般的な葬儀とは案内状の内容も変わって来ますし、そもそも正式な案内状が届くとも限りません。
気づかないうちに遺族や故人に対して失礼なことをしてしまわないよう、マナーを知っておくことが大切です。
こんな疑問を解消
- 近親者のみの葬儀に参列する場合のマナーを知りたい
- 参列しないけど故人のために何かできることは?
- 近親者とはどこの範囲までなの?
- 普通の葬儀との違いは?
案内がきたら対処できるよう、家族葬に対して正しい知識をつけておきましょう。
Contents
近親者のみの葬儀って?

家族や親族のみが参列する、とても小規模な葬儀のことを言います。この小規模な葬儀は、家族葬とも呼ばれています。
一般的な葬儀には、家族、親族、親しい知人のほかにも、故人が仕事でお世話になった方や遺族の知人も参列するため、大規模な葬儀になりがちです。
近親者のみで葬儀を行うことで、大勢の参列者の接待をする必要がないので、落ち着いて故人との最後のお別れができることから、最近人気が出てきています。
高齢化や核家族化に加えて、シンプルな形式が注目を集めてきているので、近親者のみでの葬儀は年々増えています。


葬儀に参列できる人は?

では、近親者とはどこまでなのでしょうか。家族葬とも呼ばれているということをご紹介しましたが、実はだれが参列できるかの決まりは特にないんです。
- 家族
- 故人の兄弟
- 故人の配偶者の父母
- 故人の子どもの家族
参列者は喪主や遺族が自由に決めることができるので、一般的な近親者に加えて、故人と親しかった友人・知人をお招きする場合もあります。
その場合は、喪主から直接電話で参列のお願いがあるので、その連絡があった場合は参列しましょう。参列の案内がある場合は別ですが、故人の勤めていた会社の社員であったり、近所の知人の場合は参列を控えることが一般的です。
葬儀があると知ったら?
近親者のみで葬儀を行うということは、喪主や遺族、故人が望んで選択したということです。そのため、原則として親族以外は参列できないと考えておきましょう。どんなに故人と親しくしていたと思っても、案内がなければ参列はできません。
どうしても参列したいと思っても、電話で問い合わせたりお願いをすることは失礼にあたるのでやめましょう。その一つの行為が、遺族の精神的な負担に繋がってしまいます。
家族葬とはいえ、葬儀後に弔問をしてお線香をあげることは可能です。故人との最後のお別れがしたい場合は、近親者の考えを尊重し、葬儀への参列はあきらめて弔問にとどめておくようにしましょう。
訃報通知が届いた!

親族や近親者以外でも、故人の遺志や喪主の意向によって葬儀に呼ばれることはもちろんあります。近親者以外で、自分から「葬儀に参列したい」と申し出るのはマナー違反ですが、葬儀の参列をお願いされた場合はぜひ参列するようにしてください。
訃報通知が届き、参列して欲しいと書かれていた場合や、喪主から直接お願いがあった場合は心配せず参列して大丈夫です。
来てほしいと書かれていなくても、日時や場所が書かれていれば参列可能な場合もあるので、お悔やみの言葉とともに近親者の方にお伺いしてみましょう。
基本的に、葬儀の詳細が何も書かれていない場合は、参列できないと考えましょう。


参列するときのマナー




家族葬に参列することになったら、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。家族葬は一般葬に比べて参列する機会が少ない分、緊張してしまうかもしれません。マナーを把握して、ご遺族の方に失礼のないよう葬儀へ伺いましょう。
お香典
家族葬では喪主の負担を減らすため、お香典を受け付けていない場合が多いです。
葬儀の案内状に受けつけているかどうかが書かれていることもあるので、一度確認してみましょう。特に書かれていない場合は、一応お香典の準備だけしておき、受付でお渡しするようにしましょう。
もしも、そこで受け取りを辞退された場合は、そのまま持ち帰るようにします。
多くの場合、葬儀の案内と一緒に「お香典をお断りします」と書かれているようです。その場合は、お香典を持参する必要はありません。
服装

引用 WURK
一般の葬儀と同じ、準喪服または略喪服で参列しましょう。一般の葬儀と比べるとアットホームな雰囲気なため、場合によっては案内状に「平服で参列してください」と書かれていることもあります。その場合は、基本的に書かれている通りに従いましょう。
何も書かれていない場合は、正式な喪服での参列は避けるようにしましょう。正式な喪服で参列した場合、仮に遺族側が準喪服や略喪服だった場合は失礼になってしまうからです。
一点注意が必要なのが、平服です。平服と聞くと、「普段着でいいのかな」と考えがちですが、葬儀における平服とはブラックフォーマルのことです。男性は黒やグレーなど地味な色のスーツ、女性はそれに準ずるスーツまたはワンピースをきることがマナーです。うっかり普段着で参列することのないように注意しましょう。
お悔やみの言葉
葬儀に行った際は、お悔やみの言葉をかける場面があります。お悔やみの言葉自体は、一般の葬儀も家族葬も特に変わりはありません。ここでは例文を少しだけご紹介します。


家族葬に参列するということは、故人や遺族と近しい間柄だということです。したがって、「自分もお手伝いをする気持ちがあります」いうことをお伝えするのもマナーの一つです。
また、悲しみの中にいるご遺族に対しお悔やみの言葉をかけるのは難しいものがあります。親しければ親しいほど、あまり多くを語らず言葉を少なめに挨拶をした方が良いでしょう。
また、ご愁傷さまですという言葉は仏教のものなので、キリスト教などの葬儀に参列する場合は

のような挨拶を使用するようにしましょう。
また、忌み言葉と呼ばれる葬儀でのNGワードもあるので、そちらも把握してからお悔やみの言葉を準備するようにしましょう。
帰宅の際の挨拶
近親者のみの葬儀の場合、葬儀終了後は遺族や親族で火葬場へ行くため、会食はないことが多いです。
火葬場への誘導や会食への案内がない場合は、葬儀が終わったら長居せずにさっと帰宅するようにしましょう。帰宅する際は、会釈をして帰る、または「気を落としませんようご自愛ください」などと挨拶をしましょう。
参列しない場合のマナー



近親者のみの葬儀に参列しない場合も、知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまうことがあるかもしれません。遺族の方に失礼のないよう、参列しない場合の対処法も覚えておきましょう。
お香典
「参列できない代わりにせめてお香典だけでも送りたい!」と考える方も多いと思います。しかし、近親者のみの葬儀の場合、お香典も受け取らない場合が多いです。お断りするということが書かれていない場合も、マナーとして送らないようにします。
もしもお香典を送ってしまった場合、故人との別れに時間を費やしたいと考えている遺族の方の負担になってしまいます。お返しはいらないから、とはいっても、受け取った遺族側はそうはいかないものです。
「ゆっくりと故人とのお別れの時間を取りたい」と考え、近親者のみの葬儀にしたご遺族の気持ちを尊重し、迷惑になる行為は控えるようにしましょう。
供花
供花もお香典と同じで、お返しが必要になりご遺族の負担が増えることになります。金銭的な負担はもちろんですが、「お断りをしなければならない」という精神的な負担にもつながるので、ご遺族のことを最優先に考えると控えたほうがよさそうです。
また、遺族側が「供花をお断りします」と書かれている場合も送らないようにします。はっきりと書かれていない場合も、供花を送ってもよいか事前に確認しましょう。
後日の弔問
家族葬には参列ができなかったとしても、後日弔問に伺うことは可能です。この場合は葬儀直後は避け、四十九日法要前までの間に伺うのが良いとされています。伺う前には必ず事前に連絡をし、突然訪問するということがないようにしましょう。
その際のお香典は、一応準備だけしておき、その場でお断りされたらそのまま持ち帰るようにしましょう。
お供え物なら受け取ってもらえる可能性があるので、使ったらなくなる「消えもの」を選んで持参しましょう。あまり高額なものを選ぶと、遺族の負担になってしまうのでお線香や石鹸といった遺族側も受け取りやすい物を選ぶようにすると良いです。
弔電
弔電は、シンプルな文面で素早くお悔やみの気持ちを伝えられる贈り物です。
弔電は特にご遺族の負担になるものではないので、葬儀当日、または後日送るようにしても問題はありません。ご遺族の方が、葬儀が済んでから弔電の文面を読み返したり、故人の遺影にお供えすることもできます。
「参列できなかったから何かしたい」という方はこちらがおすすめです。
まとめ

故人との交流が深かったり、とてもお世話になったという時はもちろん「参列したい」という気持ちもとても強くなると思います。
しかし、「近親者のみで行う」ということはご遺族だけでなく故人の遺志でもあります。そういった気持ちを最優先に考え、参列したい気持ちをぐっとこらえましょう。
- 基本的には親族以外は参列しないと考えておく。
- 案内を受け取った場合は、よく読んで自分が参列できるかどうか確認する。
- お香典は原則渡さない。用意しても、断られたら持ち帰る。
- 服装はブラックフォーマルが基本。
- 弔電は可能、後日弔問するなら四十九日前までに。
「知らない」ということが不安になる一番の原因です。マナーをしっかり把握して、失礼のないよう対処しましょう。
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