香典返しをする機会というのは、そうそうあるとはいえません。あんまりたくさんあっても困りますが、そうした数少ない機会のマナーって、ちょっと自信が無かったりしませんか。どうすればいいのか、根本から迷ってしまうこともありますよね。
それでなくても、最近は香典返しを当日に行ったり、金額にもばらつきが出てきたり、香典返しのマナーというか、ルールといったものが少しごちゃついてきています。全部覚えるのは、大変ですよね。




こんな方におすすめ
- 香典返しに必要なものを知りたい人
- 香典返しにつける「のし紙」について詳しく知りたい人
Contents
香典返しは品物だけ送ればいいのか

剥き身で送るのは控えよう
香典返しは「いただいた香典に対するお礼」としておくるものです。お礼であること、お渡し・お送りするものが「香典返し」であることがわかるようにしましょう。
品物だけをただ送ってしまうと、何のおくりものなのかと相手方を困らせてしまうかもしれません。せっかく香典という形でこちらを励ましてくださった方を混乱させてしまうのは、なかなか失礼ですよね。
では、「香典返し」であることがわかるように物をおくるとして、品物にどんな工夫をすればいいのでしょうか。
「のし紙」をつけて送るのが常識
ここで登場するのが「のし紙」です。「のし紙」は香典返しにのみ使うものではありませんが、「志」や「忌明け」などと書いた紙を品物に付けて送ることで、相手にその品物が「香典返しのおくりものである」ことがはっきり伝わります。



レミが随分ニッチなマスターになろうとしていますが、のし紙マスターへの第一歩として、次は「のし紙とは何か?役割は何か?」について、話していこうと思います。
「のし紙」の正体と役割とは何か?
そもそも「のし」とは
「のし」は漢字で書くと「熨斗」と書きます。
熨斗(のし)とは、一般的には慶事における進物や贈答品に添える飾りである。ただし、元来長寿を表す鮑が使われていたため、お見舞いなどには熨斗を使う場合もある。現在では黄色い紙を長六角形の色紙で包んだ形状をしているものが多く使われる。祝儀袋等の表面に印刷された、簡略化されたものもある。しばしば水引と併用される。
引用:Wikipedia



もう少し詳しく言うと、あのマークみたいになっているのしは、「折り熨斗」というものです。折っている紙を取った、その内側にあるものが、本来の「のし」です。
また、この「のし」は、祝儀の場合のみ使います。「のし」の由来が干しアワビであることから、弔事に生臭(なまぐさ:俗世の雰囲気)を入れないように、という配慮をするのが一般的です。


「のし紙」の役割
では、「のし紙」の役割はなんでしょうか。


そうなんです。香典返しの場合、のしは紙につかないので、「のし紙」ではありません。「掛け紙」と呼ぶのが正しいと思われますが、ここでは一旦「のし紙=掛け紙」として話をしていきますね。
のし紙の役割は、すでにここまでで話してきてしまっていますが、大きく二つあります。
①紙をかけた品物が、「香典返し」のおくりものであることを示す
②紙をかけることで「改まったおくりものである」ことを示す
「紙をかけることで『改まったおくりものである』ことを示す」と言いましたが、実は「のし紙・掛け紙」をする場合にも、さらに大きく2パターンに分けられます。この辺りは、後で「のし紙のマナー」として詳しく話していくので、ここでは割愛しますね。
香典返しの表書きの注意点とは?
ここでは表書きを書く際の注意点について学習していきましょう。
- 何を書けばいいのか?
- 墨の濃さはどうすればいいか?
について解説していきます。
表書きには何を書けばいいのか?
一般的なお祝いののし紙には、「御祝い(御祝)」と書くことが多いかと思いますし、お見舞いなんかでも、「お見舞」とストレートに書くことが多いですよね。
しかし、香典返しはお祝い事でもお見舞いでもありません。ストレートに「香典返し」と書くのは、あんまり聞かないですよね。
では、なんと書くのが良いのでしょうか。
レミは悩んでしまったようですね。あんまり勿体ぶってもしかたがないので、答え合わせといきましょう。
上半分に「志」、真ん中に水引(簡易水引も可)、下半分に喪主の氏名(あるいは名字)を書きます。このような、掛け紙に書いてあるもののことを、表書きと言います。文で書いてもピンと来ないかもしれませんので、参考画像を下に示しましょう。

引用:香典返し.jp
「志」の部分を、「寸志」と書く場合もありますが、目上の人に対しては「寸志」だと失礼に当たりますので、誰に対しても「志」で返すのが無難かと思います。
また、水引は黒白か銀(関西は黄白もある)のものを使って、「結び切り」という形にします。この形は、一度結んでしまうと解くことができないので、「複数回起こってほしくないこと」の場合に使われます。
少し情報がごちゃっとしてきたので、いったんまとめておきましょう。
※お祝い事ではないので、のしはつけないこと!
表書きの墨の濃さは薄墨?黒色?
表書きや名前を書く際の墨の色は、送るタイミングによって墨の濃さを変えます。四十九日を迎える前に香典返しを送る場合は、薄墨を使います。これはまだ四十九日を終えていないので忌明けを迎えてないことから薄い墨を用います。
反対に四十九日を過ぎてからの香典返しでは忌明けということで薄墨ではない墨を用います。
どちらが正解でどちらが不正解ということはありません。
香典返しのタイミングや地域性を考慮して、使う墨を使い分けるのがいいでしょう。
「のし紙」のマナーとは?印刷もできるのか

のし紙の表書きに何を書けばいいのかわかったところで、少し前の話題に戻って確認しておきます。


「内のし」と「外のし」
大きく2パターンあると言ったのは、「内のし」と「外のし」という2つのことです。
「内のし」はのし紙の上に包装紙を掛けて、のし紙が見えなくなるパターンです。一見して何のおくりものかわからないので、控えめなお祝い(内祝いなど)に使われることが多いようです。
また、宅配便で贈答品を贈る際には、配送途中でのし紙が傷つかないように内のしがよいとされています。
対して「外のし」は包装紙の上にのし紙を掛けるパターンです。表書きがはっきり見えるのが特徴ですね。

香典返しでどちらを使った方がより良い、ということはあまり聞きませんが、ひとまずは、直接お渡しする場合には「外のし」、宅配便などでお送りする場合は「内のし」という風に使い分けると良いでしょう。
内のしでも外のしでも、「品物の上に直接」のし紙を掛けるよりも、「品物を包装紙で包んだ上で」のし紙を掛けた方が、より丁寧なおくりものである印象を与えることができます。
表書きは手書きか、印刷か
マナー的に言えば、どちらでも問題はありません。手軽さで言えば手書きでしょうが、数がある場合は大変ですよね。印刷で量産しても、失礼には当たりませんので、安心して印刷してください。
ただし、手書きの場合は毛筆(筆ペン)、印刷の場合も筆文字のフォントを選ぶようにしましょう。また、文字は黒か薄墨で書いて、「志」と喪主の氏名の字の濃さは揃えましょう。基本的に香典返しは忌明けのおくりものですので、黒で字を書いてしまって構いません。当日返しの場合でも、これは同様に捉えて良いと思います。
また、水引の色は、先に述べたように黒白か双銀、あるいは黄白にして、「結び切り」の形にしてくださいね。
ずらっと書いてしまいましたので、ひとまずポイントをまとめますね。
- 手書きの場合は毛筆(筆ペン)、印刷の場合は筆文字フォント
- 文字色は黒か薄墨。当日返しでも黒を使ってよい
- 「志」の部分と喪主の名前の字の濃さは揃える
- 水引は黒白/双銀/黄白、結び切りの形
印刷でのし紙(掛け紙)を作ることが失礼に当たらないということがわかりました。では、これは家で自力で印刷しても大丈夫なんでしょうか。
自宅で印刷もできる
結論から言えば、全く問題ありません。というのも、のし紙のテンプレートが世には出回っているからです。
たとえば、テンプレートBANKというサイトからは、表書きをこちらで自由に記入できるプレーンなタイプや、すでに「志」の文字が入ったタイプのテンプレートを、無料でダウンロードできます。データを取り込んで画像編集すれば、手書きを一切しないでのし紙を用意することができますね。
まとめ

ここまで、香典返しの「のし紙」について、ちょっと細かいところも含めてずらっとお話してきました。いかがでしたでしょうか。



そもそも香典返しにかける紙は「のし紙」と呼ばないところが問題でしたが、この「のし紙」もとい「掛け紙」ひとつとっても、なかなかマナーが詰まっていると思われたのではないかと思います。細かいところまで全部を完璧に覚えるのは、大変だと思いますので、特に重要な部分をまとめておきましょう。
- 表書きは上半分に「志」、下半分に「喪主(贈り主)の氏名か名字」を書く
- 書くのは筆文字(ボールペンは×)、文字色は黒か薄墨。印刷も可
- 水引は黒白/双銀/黄白で、「結び切り」の形
- 手渡しの場合は「外のし」、宅配で送る場合は「内のし」で送る
※祝い事ではないのでのしは使わない(ので、「のし紙」ではない)
のし紙・掛け紙のテンプレートは、無料でダウンロードできるところが多く見受けられますので、ぜひ気軽に利用して、香典返しの準備を楽にしていってくださいね。
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