


それで四十九日が明けてお香典返しが届いたら「まんなかいんし」って書かれた手紙が入ってたの。儀不斗くんはそういうのに詳しいから何か知ってるでしょ?

それは「まんちゅういんし(満中陰志)」って読むの。
主に関西で四十九日後の忌明けの香典返しの事を言うんだ。
だから他所でその単語連発しない方がいいよ。特に西日本では。

なんでもっと早く教えてくれないのよ!


なんとも残念なお話ですね。葬儀や香典の習慣ひとつとっても地域ごとにいろいろ違いや特色があります。
地域だけではなく、宗教・宗派によっても香典返しに添えるお礼状は違ってきます。
レミのように赤っ恥をかく前にここで覚えておきましょう。

香典返しはひとつじゃない

香典返しの地域による違いを知るにはまずそのお返しするタイミングによって大きく2つに分かれることに注意しましょう。
ひとつは葬儀で香典をいただいた時に相手に渡す「即日返し」。
もうひとつは四十九日の法要が終わって忌明け後に渡す、または送る「後返し」があります。
即日返し?後返し?
一般的にはこの忌明けに送る「後返し」が基本とされています。
冠婚葬祭に限らず日本全国には様々な習慣や方言があります。東京には各地から人が移り集まって来ますので、一つの共通した型がないと日常生活では非常に大変です。
というわけで東京での香典返しは四十九日後の後返しが標準となりますので、お礼状もそれに準じたスタイルが標準となります。

よく考えてみたら葬儀をするのは自分たちなんだから、お礼状も地元の書き方さえ押さえておけば問題ないんじゃない?

今はそれでもいいかもしれないけど、将来レミが結婚して熊本や北海道に住むことになったらどうなる?
それに最近では日本に移住する外国人も多くなってるからね。
もしレミがアメリカやヨーロッパ出身の人とか、韓国や中国の人と結婚したら習慣やしきたりも知らないでは済まされないよ。

やっぱり文化や習慣はちゃんと知っておかないとね、うん。

そんなに違う?地域別葬祭事情
では日本国内の地域ごとの葬祭事情はどうでしょうか。

北海道・東北地方
基本的に香典返しは葬儀当日に渡す「即日返し」がほとんどです。
葬儀当日に受付で香典をいただいた方に、その場で返礼品をお渡しします。
返礼品は1,000円程度の海苔やお茶、コーヒーなどを事前に用意し、葬儀の会葬礼状はがきと一緒にお渡しします。
返礼品は、香典の金額に関わらず、香典をいただいた方全員同じもので問題ありません。
北海道では基本的にこの即返しを香典返しと言い、これで香典返しが完了することが多いです。これは北海道民の「お互い様精神」から来ている風習と言われています。
引用:北のお葬式
北海道では香典で領収書が発行されるのも特徴的です。
東北地方でも即日返しが主流で、地域によっては自治体が冠婚葬祭の簡素化を奨励しているところもあります。
北関東
群馬県や北関東の一部でよく見られるものが「新生活」です。受付で「一般」と「新生活」を分けて、新生活は香典返しをしない代わりに香典の金額が少なくなります。
関西地方



「中陰」とは、仏教でいうところの亡くなってから向こうの世界に行くまでの期間のことを言い、7日ずつの法要を7回執り行い49日経った時が「満」となり、ちょうどこの日に葬儀の御礼とご芳志への御礼、忌明けの挨拶をあわせて「満中陰志」としてお返しをします。関東や九州で呼ぶところの「香典返し」と同じ意味合いとなります。また、仏教での儀礼となりますので、神式などで葬儀を執り行った場合には満中陰以外の形でのお香典返しがよろしいかと思います。
中国・四国・九州
西日本では「満中陰志」が広く使われていますが、この地方では一部の地域で葬祭事の贈り物のお返しとして「茶の子」という呼び名が使われることがあります。
香典返しのお礼状も表書きは「茶の子」になりますが、会葬御礼やお供えへのお礼なども「茶の子」と呼ばれることがあります。
沖縄
ほとんどの場合香典は即日返しです。沖縄は香典の額自体が少なく弔問客が大勢訪れるケースが多いため、香典返しはタオルなどちょっとしたものが多いです。
また沖縄では初七日以降毎週のように自宅で「ナンカスーコー(週忌焼香)」という法要を行う風習があり、弔問客はその都度まめに足を運ぶので香典返しのお礼状も出さないことが少なくありません。
他県から香典を頂いた場合は改めてお礼状を送るか、事前に沖縄の風習を伝えておく方が良いと思います。



それはともかく、経済状態が厳しかった土地柄では遺族の負担がないようにと即日返しを行う所が多かったみたい。
昔の話でしょって言われるかもしれないけど、実際日本は不況が続いてるからさらに即日返しが増えても不思議じゃないかもね。

苦しい時にお互い助け合う伝統があるなど合理的な理由で香典返しを行わない地方もあるんだよ。北海道や群馬なんかまさにそんな感じだね。
とはいえ頂きものには礼をもって返すのが日本の文化。そのために必要になるお礼状の書き方を見ていきましょう。
お礼状。まずは基本を押さえましょう
香典返しのお礼状には、以下のような内容を含めます。なので自分でお礼状を作成する時にも気をつけておきましょう。
- 四十九日の法要を無事済ませ忌明けしましたという報告
- 香典を頂いたことに対するお礼
- 香典返しをお送りしましたというお知らせ
- 略儀でのご挨拶で済ませることへのお詫び


お礼状の様式としては
- 和紙(奉書)/便箋と封筒/カード用紙と封筒/ハガキ のいずれかを使用。
- 四十九日後の忌明けであるため、濃墨を使用。印刷の場合は黒。
- 縦書きで書くこと。句読点は打たない。これは葬祭がつつがなく進行するようにという意味もあると言われています。
- 「ますます」「くれぐれ」などの重ね言葉は使わない。不幸が重ならないようにとの意味を込めてのことです。
- 言葉の使い方に注意。「拝啓」や「敬具」など頭語、結語を使い、敬語も正しく使用すること。自分の身内には「逝去」は使わず「死去」とするなどの例があります。
スタンダードな後返し
まずはこれです、仏式
最もポピュラーなのが仏式での香典返しです。
文例
拝啓
先般 亡母〇〇儀 永眠に際しましては
丁重なるお心遣いを賜り誠にありがとうございました
○月○日 滞りなく四十九日の法要を相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚情に対しあらためて感謝申し上げます
心ばかりの品ではございますが 供養のしるしにお届けいたしましたのでお納めくださいませ
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
平成〇〇年〇月〇日
喪主 ○○○○
引用:おそうしき読本
意外と知らない神式


他にも色々違いはあるけど、香典に関しては、「御玉串料」と呼ばれるし、仏教でいう四十九日も、神道では「五十日祭」となるんだ。
このたび 亡○○(喪主との関係)▽▽(故人の下の名前) 帰幽にあたり
遠路よりのご会葬ならびに過分なるお供えを賜り 心よりお礼申し上げます
また取り込み中にてみなさまへの心配りが至りませず 大変失礼いたしましたお陰をもちましてこのほど
●月●日○○神社にて五十日祭の祭事を相営むことができました
ここにご報告させていただきますつきましては偲び草として心ばかりの品をお送りいたしました
ご芳志のお礼としてお納めいただきたくお願い申し上げます本来なら直接お会いしてお礼申し上げるべきところですが
書中をもってご挨拶にかえさせていただきます
引用:終活ねっと
宗派に注意、キリスト教
キリスト教の葬儀自体は日本の葬儀とはだいぶ違います。とはいえ日本でのキリスト教の葬儀にはある程度日本の習慣を踏まえて行われています。
キリスト教には香を供えるという習慣がないので香典もありません。そのため香典に相当するものとしては「御花料」または「御霊前」という表書きになり、カトリックでは「御ミサ料」と書くこともあります。ですので香典返しのお礼状もそれに対応した書き方になります。
キリスト教では「忌明け」「法要」「供養」といった言葉は使いません。
また、プロテスタントかカトリックかによっても使う言葉が変わります。
信者が亡くなることは、プロテスタントでは「召天」カトリックでは「帰天」を使います。
キリスト教では「昇天」はイエスキリストにおいて使われる言葉なので信者に対しては使いません。
引用:終活ねっと
プロテスタントの場合
「このたび 母(喪主との関係) 山田花子(名前)姉(姉:女性、兄:男性) 召天にあたり
告別式礼拝へのご出席ならびにご丁寧なお心遣いをいただき 心よりお礼申しあげます○○牧師司式のもと●月●日に○○霊園にて 納骨式をおこなってまいりましたみなさまに見送られて旅立った母は 主イエスキリストのみもとで
復活の希望をもって安らかな眠りについたことでしょうつきましては お礼として心ばかりのお品をお送りいたします
どうぞお受け取りくださいますようお願い申し上げます
カトリックの場合
このたび 母(喪主との関係) ベルナデッタ(洗礼名)山田花子(名前) 帰天にあたり
葬儀ミサへのご出席ならびにご丁寧なお心遣いをいただき 心よりお礼申しあげます○○神父とともに●月●日に○○教会付属霊園にて 埋葬式をすませてまいりましたみなさまに見送られて旅立った母は 精霊のお導きにより 主イエスキリストのみもとで
復活の希望をもって安らかな眠りについたことでしょうつきましては お礼として心ばかりのお品をお送りいたします
どうぞお受け取りくださいますようお願い申し上げます

これはどうする?天理教
天理教は江戸時代末期に確立した新興宗教ですが、葬儀など儀礼の内容は神道に似ている部分が多いです。なので香典にあたるものは「御玉串料」や「御榊料」となり、香典返しにも「偲草」などという言葉が使われます。
仏式で「葬儀」「永眠」とする所は「出直」となります。
また仏教では四十九日に当たる忌明けも、天理教では神道同様「五十日祭」を使います。
引用:おこころざし.com
オールマイティな無宗教型
もちろん宗教色のない形式のお礼状もあります。
いろいろな地方の人とつながりがある、多様な宗教や人種の交友関係があるなどの理由で特定の宗教で葬儀を行わない人もいるでしょう。
こちらの書式ならほとんどのケースに対応できるようになっています。
この度 亡○○(喪主との関係)△△▽▽(故人の氏名)儀 葬儀に際しましては
ご多用中にも関わらず御会葬ならびにご芳志を賜りましたこと心から御礼申し上げます●月●日 ○○霊園にて納骨を済ませてまいりましたのでご報告申し上げます
つきましては心ばかりの品をお送りいたしましたので
ご芳志のお礼としてお納めいただきたくお願い申し上げます本来なら直接お会いしてお礼申し上げるべきところですが
書中をもってご挨拶にかえさせていただきます
引用:終活ねっと


韓国や中国では香典はあるけど香典返しという文化はないし、ヒンドゥー教やイスラム教では香典自体存在しないし受け取りを断られることもあるよ。
そもそもイスラム教の葬儀はムスリム以外の参列はできないしね。
まぁあり得ないことを気にする必要はないよ。

ウチはどうする?悩むならお送りしましょうお礼状
口頭でのお礼で十分?それはどうでしょう
ここまでは四十九日の忌明けに香典返しを送る場合の書き方を見てきました。
では即日返しの時はお礼状はどのように書いたら良いのでしょう。
大抵の場合は受付で香典を頂くとその場で香典返しの品を直接渡すか、葬儀が終わった後参列者に配ることになります。
直接手渡すのなら特にお礼状は不要と思われるかもしれませんし、実際地域によってはそのようにしている所もあります。
しかし先ほども触れましたが日本は厚意に対しては礼を以て返す文化。たとえ直接渡す場合であってもお礼状は添えるようにしましょう。
また葬儀当日は弔問客の皆さんへ会葬御礼を配るケースがあり、これがしばしば香典返しと混同されることがあります。両者は基本的に別物なので、香典返しを頂いた方にわかるようにその旨をお礼状という形で記すことも大事になります。

引用:島田屋本店
もらい過ぎ?でも厚意ですから…ってそれでいいの?
また地域の習慣として香典返しをしないとはいえ、頂いた香典が高額になる場合には話は別です。その際には頂いた額の半分~3分の1に相当する品物を忌明けにお返しするのが地域を問わず通例になっています。
香典返しの習慣がないので何を送ってよいかわからないときは、以下の記事が参考になります。また困った時には地元の葬儀社やギフト専門店に相談しましょう。


確かに日本全国葬儀に関する習慣も微妙に違うし香典返しでもいろんなお礼状があるよね。
でも葬儀は経済的にも精神的にも遺族に負担がかかるからね。地方ごとに即日返しなどの習慣が多いのも、「負担は少なく、でも礼儀は尽くそう」というジレンマを解決しようという知恵なんだろうね。
だから多くのギフト会社が様々な条件に応じて贈り物やお礼状を手配してくれるサービスというのはとてもありがたいことなんだよ。
まとめ
- 地域ごとに葬祭習慣の違いを理解しよう
- 香典返しのお礼状は即日か後かに気をつける
- 宗教・宗派で例文は変わる
- 冠婚葬祭ギフト専門店なら万能に対応してくれる





じゃあ君のお父さんが読み間違えてたってこと?


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