

どういたしまして。
今日は何聞きたいの?

え、何で分かったの??

勘ってやつ!?

さすがぁぁ!!
で、今日聞きたいことは、香典返しに添える「お礼状」のことなんだけど。

お!!
すっごく大事なところだね。
香典返しも大切だけど、それに添えるお礼状で丁寧さが全然変わるからね。
「香典返しの品は決めたけど、お礼状ってどうしたらいいんだろう」「決まった型があるのかな」「全部同じ文章でいいのかな」「手書き?印刷?」
と悩む方がいると思います。
香典返しは弔問客への感謝の気持ちと故人の想いを代弁するもの。
そんな大事な香典返しに添えるお礼状には気を配って当然です。
香典返しの品だけを真剣に選んで、お礼状を軽視していたら、遺族の方や故人の気持ちが伝わりません。
それは悲しいですよね。
なので、今回、しっかりとお礼状についての知識を身につけましょう。
といってもお礼状にはいくつか種類があるので、今回は「はがき式お礼状」に焦点を当てて、一緒に学んでいきましょう。
こんな方におすすめ
- 香典返しのお礼状について知りたい方
- お礼状の文例を知りたい方
- 気持ちのこもったお礼状を添えたい方
Contents
香典返しについて


まずは、簡単に「香典返し」について説明するよ。

OK!!
復習だね。
香典返しとは、お供えいただいた香典に対して、遺族の感謝の気持ちを伝え、無事に弔事を終えたことを報告することです。
- 贈るタイミング:「通夜・葬儀当日に返す場合」と「四十九日法要後に贈る場合」があります。
- 相場:いただいた香典の半分の額=「半返し」
- 香典返しにふさわしい品:食品、日用品など「消える」もの
- 香典返しにふさわしくない品:肉、魚、酒類
香典返しを贈るタイミングに関しては、最近では、通夜・葬儀当日に贈る、いわゆる「当日返し」が一般的です。
ただし、高額な香典(1,0000円以上)をいただいた方には、四十九日法要後のタイミングで、不足金額分程度のお返しをしましょう。

香典返しにふさわしいのが食品や日用品なのは、「通夜や葬儀のようなめでたくないことは後に残さない」って意味があるからだよね。

お、よく覚えてたじゃん!!
香典返しについてはこれくらいにしておくね。
今日のメインテーマは香典返しに添える「お礼状」だからね。以下の記事で詳しく解説しているから香典返しについて知識が浅いなら見ておいてもいいと思うよ。
次章から「お礼状」について見ていきましょう。
なぜ、香典返しにお礼状を添えるのか


さっきから、「香典返しにお礼状を添えるのは当たり前」みたいな感じで、話してきたけど、
そもそも、なんでお礼状を添えるべきだと思う?

うーーん。
誕生日プレゼントとかも、プレゼントだけでも全然嬉しいけど、そこに手紙が添えられてたら、嬉しさが倍増するし、「あー、この人、心からお祝いしてくれてるんだな」って感じる。
誕生日プレゼントと一緒にしちゃダメだけど、似たようなことだと思うな。
香典返しにひと言添えられているだけで遺族の気持ちや故人の想いがより伝わるんじゃないかな。

レミの言う通りだよ。
香典返しに添えるお礼状には二つの役割があります。
- 遺族の感謝の気持ちを伝える
- 四十九日法要が無事終了したことを報告する(四十九日法要後に香典返しをする場合)
本当は、弔問客一人一人に直接会って「ありがとうございました。無事、弔事が終わりました。」と伝えるのがベストです。
しかし、時間的にも精神的にもそんな余裕がないというのが本音だと思います。
通夜・葬儀・四十九日法要を行うのは本当に大変なことなんです。
遺族の方、特に喪主の方は、葬儀場の方との打ち合わせ、お坊さんへの挨拶、親族の相手、香典の管理など、とにかく手一杯になります。
そんな時、唯一全ての弔問客に感謝の想いを伝えることが出来る手段が、「お礼状」です。
お礼状一枚には「遺族の感謝の気持ちを伝える」「四十九日法要が無事終了したことを報告する」という大きな役目があり、だからこそ、香典返しには「お礼状」を添えるべきなのです。

お礼状を添える理由は分かってくれたかな?

お礼状を添える意味が分かって良かった。
文字にすることで伝わることってたくさんあるもんね。

そうだね。
それじゃあ、次のトピックに行こう。
お礼状の種類

続いて、お礼状にはどんな種類があるのか簡単に紹介するね。
お礼状には大きく分けて3つのタイプがあります。
- 奉書式
- カード式
- はがき式
ただ、書くべき内容に違いがあるわけではありません。お礼状の形式が違うという認識でお願いします。
奉書式のお礼状

引用:楽天市場
奉書というのは、平安時代から使われていたものです。
奉書紙という一枚の横長の和紙に、右から左へ縦書きで書きます。渡す時は折りたたんで封筒に入れます。
参考:香典返しの挨拶状は、定型文を生かしつつ、感謝の気持ちを込めて
香典返しのお礼状としては、私の経験上、あまり見たことがありません。最近では、はがきやカード式のお礼状をよく見ます。
ただ、高額な香典をいただいた方には、四十九日法要後のタイミングでお返しの品に奉書式のお礼状を添えて渡すと、より丁寧な印象になります。
和紙なので、手書きかなと思われる方がいるかもしれませんが、奉書紙は印刷可能なので、手書きする時間がない方でも利用できます。
カード式のお礼状

引用:楽天市場
カードというのは、はがきサイズのレターカードのようなものです。
カード式はコンパクトなので、持ち運びも楽です。
最近は、奉書式よりもカード式をよく目にします。カード式は奉書式よりは略式ですが、はがき式よりは丁寧な印象なので、利用する方が多いのだと思います。
カード式の場合、封筒に入れて添えるのがマナーなので、注意してください。
封筒は白無地で、二重封筒ではないものを選びます。そして、封筒の表面中央に「お礼状」と書くようにしてください。
はがき式のお礼状

引用:トリセド
はがき式のお礼状というのはイメージがつきやすいかと思います。
はがき式もカード式同様コンパクトで、大量のお礼状を用意する際はとても便利です。また、受け取った側もその後の収納が楽という利点もあります。
また、はがき式のお礼状でも十分気持ちは伝わりますし、失礼でもありません。
ただ、はがき式のお礼状は奉書式やカード式よりも略式なので、格式を重んじる場合は使用しない方がいいです。
これを知っているのと知らないのとでは、全然違います。
略式ということを知っていれば、高額な香典を供えて下さった方へのお返しに添えるお礼状が、はがきでは良くないということに気付けます。
はがきの種類
はがきには、「私製はがき」と「官製はがき」の二種類があります。
私製はがき:手作りのはがき。切手を別途購入して、自分で貼る。
官製はがき:いわゆる「郵便はがき」。郵便局で売っているはがきで、切手を貼る部分には絵と料金が印刷されている。
香典返しのお礼状として、どちらが良くて、どちらがダメということはありません。
しかし、はがき式お礼状は略式であることから、官製はがきよりは私製はがきの方がお礼状としてふさわしいと思います。
官製はがきだと「はがき」というのが強調されると思いますので。

お礼状にもいろんな種類があるんだね。知らなかった。
知れて良かったよ。絶対役に立つよね。

香典の額は人それぞれで、「こんなにいただいてもいいのかしら」と思うくらいの金額を供えてくださる方もいると思う。
弔問客に差をつけるべきとは言わないけど、高額な香典をいただいた方にはそれなりのお礼をするべきだよね。
その時、はがき式やカード式のお礼状では少し物足りないと感じて、奉書式のお礼状を添えると、受け取った側に丁寧な印象を与え、気持ちがより伝わるんだ。
でも、はがき式やカード式が失礼ということではないからね。使い分けが大事ってこと!!
お礼状を用意するのが大変。他にやることがたくさんありすぎてそこまで手を回している時間がないという人は、作成を無料で代行してくれるサービスを利用するのも一つの手段です。
はがき式お礼状の書き方!簡単に作れる!


はがき式お礼状を作る前に、お礼状の意味をもう一度確認しておこう!!
- 遺族の感謝の想いを伝える
- 四十九日法要が無事終了したことを報告する(四十九日法要後に香典返しを贈る場合)
お礼状を作成する時には、この2つの意味を忘れずにいてください。

では、はがき式お礼状を作成していこう。
まずは、お礼状を作成する際に注意してほしいこと6点を紹介するね。
- 宗教、宗派ごとにお礼状の内容が異なる
- 縦書きで、句読点は打たない
- 忌み言葉、重ね言葉を使わない
- 「逝去」は故人への敬語なので使わない
- 墨の色→四十九日まで:薄墨 四十九日以降:濃墨
- 封筒に入れる
では、「当日返し」の場合と「四十九日法要後」の場合に分けて見ていきましょう。
当日返しの場合
当日返しの場合は、一人ひとり異なる文章の挨拶状を添えるのは難しいので、全員同じ内容のお礼状で大丈夫です。
当日返しに添えるお礼状を作成する時に注意してほしい点は、先ほど紹介した6つの注意点の中でも以下の5点です。
- 縦書きで、句読点を打たない
- 忌み言葉、重ね言葉を使わない
- 「逝去」は使わない
- 墨の色、インクの色は薄墨
- 封筒に入れる
当日返しの場合は、手書きでお礼状を書くより、印刷する場合の方が多いと思うので、今回は印刷の場合でお話します。もし、手書きをするという方でも注意する点は同じなので、参考にしてください。
では、文例を見ながら「構成」と「注意点」について説明していきます。
➀本日はお心のこもったお悔やみの言葉をはじめ過分なお心くばりをいただきまして
誠にありがとうございました
②つきましては誠にささやかではございますがご香典返しと致しまして
心ばかりの品をご用意させていただきました
何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
③本来ならばご挨拶かたがた持参すべきではございますが略儀ながら書面にて深く御礼申し上げます
令和〇〇年△△月××日
喪主○○○○○
参考:島田屋本店
お礼状の構成を解説!

➀参列してくださったこと、香典をいただいたことに対するお礼を述べる
お礼状を添える大きな理由は、遺族の感謝の想いを伝えることです。
香典を供えて下さったことに対してはもちろん、多用の中、参列し、声をかけて下さったことに対するお礼を忘れてはいけません。
香典を受け取った際や、葬儀場の中で会った時など、直接「ありがとうございます」と伝えることが出来たかもしれませんが、改めて文字にすることでその想いが相手の心の中に残ります。
お礼状の初めは感謝の気持ちから伝えましょう。
②渡した品が香典返しであることを伝える
通夜・葬儀当日は香典返しのほかに、会葬御礼の品も渡すのが慣習になっています。
香典返しと会葬御礼は別物なので、渡した品が香典返しなのか会葬御礼なのかを伝える必要があります。
このことを伝えないと、誤解されたり、余計なトラブルになるかもしれません。それだけは避けたいですよね。
なので、香典返しの品であることははっきり伝えましょう。
③書面でのお礼であることのお詫びをする
先ほどもちらっとお話しましたが、本来であれば、弔問客一人一人を訪ね、直接お礼を伝えるのが礼儀です。
書面でのお礼は略儀です。今日は、それが一般的になっているので、別に失礼ではありません。
しかし、略儀であることのお詫びをするのがマナーです。この一言がないと、マナーを知らない人と思われ、悪印象を持たれます。
それに、香典返しに込められた遺族の感謝の想いが伝わりません。それでは故人も悲しみます。
なので、最後にお詫びの言葉を一言添えましょう。
当日返しのお礼状の注意点を解説!
➀縦書きで、句読点を打たない
文例は横書きですが、本来は縦書きが正しいです。
句読点を打たないということに関しては、以下のような説明ができます。
日本は元々毛筆で文章を書く習慣があり、毛筆で書かれた文章には句読点を打っていませんでした。
弔事という昔の慣習を重んじている場では、縦書きで句読点を打たないという慣習の名残が残っていると考えられています。
また、句読点は文章の流れを止めてしまうとも考えられています。なので、句読点を打たないことで、弔事や法事が滞りなく終了したことを意味するとも言われています。
②忌み言葉、重ね言葉を使わない
弔事において忌み言葉とは、「悲しむ」「涙」「四」「九」「死ぬ」「亡くなる」などです。
また、重ね言葉とは、「わざわざ」「くれぐれも」「度々」「だんだん」「日々」などです。
他にも様々な忌み言葉や重ね言葉があります。
せっかく、気持ちの伝わるお礼状が作成できたのに、何も知らず忌み言葉や重ね言葉を使ってしまったら台無しです。
しかし、このことに関しては、使ってはいけない忌み言葉や重ね言葉があるということを知っていれば防げることです。
なので、しっかり確認して、お礼状で使わないようにしましょう。
③「逝去」は使わない
「逝去」は故人に対する敬語です。
普段の生活でも、お父さんやお母さん、兄弟に対して敬語は使いませんよね。
そうなんです。日本語は身内に敬語を使わない言語なんです。
なので、故人に対する敬語である「逝去」を使うのはマナーとしておかしいです。注意しましょう。
④インクの色はグレーにする
今は印刷の場合でお話しているので、「インク」と言いました。
「お礼状を作成する時の6つの注意点」でもお話しましたが、インクや墨の色は四十九日までとそれ以降で変わります。
当日返しの場合は、インクはグレーにした方が良いと思います。手書きの場合は、薄墨を使うといいでしょう。
「薄い色」というのは「悲しみの涙」を表しています。
通夜・葬儀当日というのは、故人とお別れして間もなくのことで、悲しみで胸がいっぱいだと思います。
そういった遺族の悲しみや辛さを表現するために四十九日までは薄い墨でお礼状を書くと良いと言われています。
⑤封筒に入れる
はがき式お礼状は略式ですが、失礼にはあたらないことは分かっていただけていると思います。
ただ、略式でも丁寧さは大切にしたいですよね。その丁寧さを伝えるために、お礼状を封筒に入れるという方法があります。
はがき一枚を裸で添えるのではなく、封筒に入れることでお礼状を丁寧に扱っているという印象がつきます。
略式でも封筒に入れるか入れないかでは、受け取る側の印象もだいぶ違うので、ぜひ封筒に入れて添えることをおすすめします。
普段ははがきを封筒に入れるというのはあまりしませんよね。なので、印刷サービス会社でもはがき+封筒のセットがない場合があります。
その場合は、白無地のもので、二重封筒ではない封筒を自分で用意しましょう。
また、封筒表面の中央には「お礼状」と書くのを忘れないでください。
当日返しの場合に添えるお礼状の構成と注意点についての話は以上です。
高額の香典をいただいた方には、四十九日法要のタイミングでお返しの品を贈りましょう。
その際に添えるお礼状の作り方については「四十九日法要後の場合」をご覧ください。

当日返しの場合のお礼状の構成、注意点は分かったかな?

はい!!
結構、細かいところまで気を付けないといけないから大変そうですね。
でも、事前に知っておけば対応できますね。

一見、いろんな決まりごとがあって難しそうだけど、知識さえ持っていれば怖くないよ。
じゃあ、次は、四十九日法要後に香典返しを贈る場合について見てみよう!!
四十九日法要後の場合
四十九日法要後に香典返しを贈る場合も、お礼状の内容は定型文で大丈夫です。
ただし、故人と親交が深かった方には定型文に具体的なエピソードを加えたお礼状を添えると喜んでいただけると思います。
今回は印刷の場合でお話します。理由は、少数であれば手書きも可能だとは思いますが、ある程度の枚数が必要な場合、手書きは時間がかかりますし、全てを手書きで書くことはなかなか大変だと思うからです。
だからと言って、手書きで書くことをおすすめしないわけではありません。
では、話を戻して、四十九日法要後に贈る香典返しに添えるお礼状を作成する時に注意してほしいことを紹介します。
- 宗教、宗派ごとにお礼状の内容が異なる
- 縦書きで、句読点は打たない
- 忌み言葉、重ね言葉を使わない
- 「逝去」は故人への敬語なので使わない
- 墨の色→四十九日まで:薄墨 四十九日以降:濃墨
- 封筒に入れる
最初に挙げた「お礼状を作成する時の6つの注意点」そのままです。
まずは、「宗教・宗派ごとに内容が異なる」という点に注目して、宗教・宗派ごとに文例を見ていきましょう。
その後で、構成とその他の5つの注意点について説明していきます。
宗教・宗派ごとのお礼状文例
謹啓
➀先般 亡(故人の続柄)(故人の名前)儀に際しましてはお心のこもったご弔詞およびご芳志を賜りまして厚く御礼申し上げます
②本日(戒名)四十九日法要を滞りなく営むことができました
③つきましては追善の微意を表し心ばかりの品をお届けいたしますので何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
④本来であればお目にかかり御礼申し上げるべきところ失礼ではございますが
まずは略儀ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具
⑤令和○○年△△月××日
喪主
謹啓
➀先般(故人の続柄)(故人の名前)帰天の際は御多用にもかかわらず御懇篤なるご弔詞と御鄭重なる御供物賜り
御厚情の程誠に有難く厚く御礼申し上げます
②本日五十日祭を滞りなく営むことができました
③つきましては心ばかりの品をお送りいたしましたのでご受納下さいますようお願い申し上げます
④まずは略儀ながら書中にて謹んで御礼申し上げます
敬具
令和○○年△△月××日
喪主
<「戒名」とは>
戒名とは、死者に与えられた名前のことです。
戒名がある場合と、ない場合があるので注意してください。
お礼状の構成を解説!

➀お悔やみの言葉、お供え物をいただいたことへの感謝を伝える
繰り返しになりますが、多用の中参列し、言葉をかけ、香典を供えて下さったことへの感謝の気持ちは必ず伝えましょう。
これがないとお礼状を添える意味がありません。絶対に忘れないようにしましょう。
②無事に四十九日法要を終えたことを報告する
これもお礼状を添える理由の一つですよね。
四十九日法要に参列するのは一般的に親族のみです。
通夜・葬儀に参列し、香典を供えて下さった方に「四十九日法要を滞りなく営めた」と報告するのは遺族の方の責任でもあり、礼儀でもあります。
きちんと報告をして、弔問してくださった方々を安心させましょう。
<四十九日法要の呼び名>
仏式:四十九日法要
神式:五十日祭
③香典返しの品が同封されていることを伝える
何が入っているのかを知らせず、品物だけを渡すのはあまりいい気がしませんし、失礼な気もしますよね。
そうなんです、香典返しの品であることを明記しないのは失礼です。
つまり、香典返しの品であることを明確に記すことは最低限のマナーなのです。
また、「心ばかりの品」という日本人らしい謙虚な表現をすることで、より丁寧な印象を与え、お礼状全体が穏やかな印象になります。
細かい所ですが、香典返しの品であることを明記するのは必須です。
④略儀であることをお詫びする
これも繰り返しになりますが、本来は直接会ってお礼を伝えるのが正しいです。
しかし、現実的には何十人ものお宅に挨拶に行くのはなかなか難しいですよね。
それを解決するためのお礼状でもあります。
お礼状を添えるだけで満足せず、「略儀であることは分かっていますが、ご容赦ください」ということを伝えることが礼儀です。
この文言がないと、やはり印象は悪くなります。気を付けましょう。
⑤日付は四十九日法要を執り行った日
いつの日付にすればいいのか迷いますよね。
基本的には四十九日法要の日を記載すれば間違いありません。
香典返しを渡す日が四十九日法要の日より後になってしまう場合も、問題ありません。
ただ、どうしても気になる方は、年・月のみの記載でも大丈夫です。
四十九日法要後のお礼状の注意点
注意点に関しては、「当日返しの場合」でも説明したことがほとんどなので、適宜詳しい説明を加えながら、簡単に説明していきます。
➀縦書きで、句読点は打たない
文例は横書きですが、正式なのは縦書きです。注意してください。
「句読点を打たない」ということに関しては2点説明します。
- 日本が歴史的に毛筆の文化であり、毛筆の際は句読点を打たないという慣習がありました。お礼状に句読点を打たないというのはその名残だと言われています。
- 句読点は文章の流れを止めるという意味があり、句読点を打たないことで、滞りなく四十九日法要を終えたということを表すと考えられています。
以上の2点から、香典返しのお礼状には句読点を打たない方が良いとされています。
②忌み言葉や重ね言葉を使わない
忌み言葉や重ね言葉というのは、普段は気にしないですよね。
なので、何が忌み言葉、重ね言葉なのかを知らないと、お礼状を作成する際に無意識にその言葉を使ってしまう恐れがあります。
「知らなかった」という方も、今知れたので大丈夫です。
弔事の際の忌み言葉や重ね言葉を紹介しているサイトをご紹介します。
参考:相続弁護士ナビ
③「逝去」は使わない
「逝去」は故人に対する敬語です。また、日本語では身内に対して敬語は使いません。
なので、お礼状に「逝去」という言葉を使うのは日本人としては違和感があります。注意しましょう。
④インクの色は濃い黒
ここが当日返しに添えるお礼状と大きく異なるポイントです。
当日返しは四十九日前なので「悲しみ」を表す薄い色が良しとされていますが、四十九日法要後の場合はその逆です。
四十九日法要後の場合は、「悲しみは尽きませんが、前に進もうとしています」「少し気持ちが落ち着きました」という意味を込めて、濃い黒でお礼状を書きます。
読み手が文字の色を気にしているかと言われると何とも言えませんが、見ている人は見ています。
「文字の色」という細かい部分にも配慮が行き届いていると、お礼状の質が上がります。
つまり、お礼状に込められた遺族の気持ちがより丁寧に表現されて、読み手に伝わるということです。
⑤封筒に入れて添える
はがき式お礼状は略式です。
とは言え、最近でははがき式お礼状が多く見られるのも事実で、はがき式でも十分に気持ちは伝わります。
でもせっかくなら、より丁寧な形でお礼状を添えたいですよね。
そんな時こそ、封筒に入れてください。封筒に入れることで、お礼状が丁寧に扱われているという印象が付きます。
ただ、封筒に関しても注意が必要です。
封筒は白無地で、二重封筒ではないものを使いましょう。
見た目という部分で印象が良いと、遺族の感謝の想いがよりダイレクトに読み手に伝わります。ぜひ、封筒に入れるというところまで徹底してください。

これで、四十九日法要後に贈る香典返しに添えるお礼状の構成と注意点の説明は終わりだよ。
どう、何となくイメージはついた?

うん!
当日返しの場合も、四十九日法要後の場合も注意する点はほとんど変わらないんだね。
でもさ、一つ疑問があって。

もしかして、
「故人と親しい人に贈る香典返しには定型文にエピソードを加えたお礼状を添える」って一体なんだ?
って疑問だったりして。

そうだよ!!
説明してなかったよね?

ごめんごめん。
分けて説明した方が分かりやすいかなと思って、後回しにしちゃった。
今から説明するね。
故人と親しかった人には定型文にエピソードを加えたお礼状を添えよう
ということで、故人と親しかった人への香典返しに添えるお礼状について見ていきましょう。
早速、文例を紹介します。
拝啓
先般 (故人の名前)永眠に際しましては多くのお気遣いとお香典を賜り誠にありがとうございました
(生前のお付き合いに対する感謝、故人に関するエピソード)
つきましては供養のしるしとして心ばかりの品をお届けいたします
本来であればお目にかかってお礼を申し上げなければいけないのですが
まずは略儀ながら書中にて心からの御礼を申し上げます
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます
敬具
平成〇年〇月〇日
喪主
これは宗教に関係なく使える文例です。
注意する点は先に挙げた文例と何ら変わりありません。
- 縦書きで、句読点は打たない
- 忌み言葉、重ね言葉を使わない
- 「逝去」は使わない
- 墨の色に注意する→四十九日まで:薄墨 四十九日後:濃墨
- 封筒に入れる
構成もほとんど変わりませんが、唯一変わるところが、カッコで示した「生前のお付き合いに対する感謝」「故人に関するエピソード」を加えるという点です。
「故人に関するエピソード」としては、故人の人柄・趣味など親交の深かった方だからこそ分かるエピソードを盛り込むと、より気持ちの伝わるお礼状に仕上がります。
- 弔事に出席してくださったこと、香典を供えて下さったことへの感謝を伝える
- 「生前のお付き合いに対する感謝」と「故人に関するエピソード」を加える
- 香典返しを贈ることを伝える
- 略儀であることのお詫びをする
- 日付は四十九日法要の日を記載する
具体的なエピソードを入れてのお礼状を作成できるのは、四十九日法要後に香典返しをする場合の大きな利点です。
定型文だけではない、リアルなエピソードを入れることで、そのお礼状は一枚のはがきではなくなります。故人や遺族からの大切なメッセージとして読み手の心の中に残り、ずっと大切にしてもらえるはずです。
そして、遺族の想いが温度を乗せて伝わり、本当の意味でのお礼状になるでしょう。
弔問客全員にこのようなお礼状を添える必要はありません。しかし、故人と親交が深かった方にはぜひ、定型文にエピソードを加えた心温まるお礼状を添えてみてください。
はがき式お礼状を印刷してくれるサービスをご紹介!!

引用:プリントメイト
様々な場面でのお礼状、挨拶状に対応してくれます。
また、定型文だけでなく、オリジナルの文章の印刷もしてくれるので、故人と親しかった方へのお礼状を作成する場合も任せられます。
さらに、納期が速いので、当日返しの場合も時間に余裕を持ってお礼状の準備ができます。

引用:挨拶状の匠
名前からしてなんとも頼もしい感じがしますよね。
こちらも様々なシーンに対応しており、文例も豊富です。
また、納期に関しても様々なプランがあるので、時間に余裕のない当日返しの場合も、多少時間に余裕のある四十九日法要後の場合も利用できます。
引用:いしづか印刷
夫婦お二人で経営されていて、アットホームな感じを受けます。
ホームページに寄せられたお客様の声からは、親切で丁寧な対応がとても魅力的であることが分かります。
それだけでなく、文例も豊富かつ、オリジナルの文章にも対応してくれます。
納期は最低でも2~3日かかるそうなので、時間に余裕のある四十九日法要後に香典返しを贈る場合の利用をおすすめします。
引用:SINCERELY
少し高級感のあるお礼状ができそうですよね。
しかし、見た目だけではなく、文例もとても豊富です。
宗教ごとの文例も用意されているので、宗教を重んじている方への失礼なく、お礼状を添えることができます。
また、文例はあるものの自由に編集できるので、文例を上手く活用しながら、でもオリジナルのお礼状を作成できます。
故人と親しかった方や高額な香典を供えて下さった方への香典返しに添えるのもいいかもしれませんね。
まとめ

お礼状のことは少しは分かったかな?

うん。
お礼状を添える理由、お礼状の種類、お礼状の文例、たっっくさん学べたよ!
- お礼状を添える意味は2つ「遺族の感謝の気持ちを伝える」「四十九日法要を終えたことの報告をする」
- お礼状には3種類「奉書式」「カード式」「はがき式」
- はがき式は略式
- はがきには2種類「私製はがき」「官製はがき」
- お礼状を書くときは6つの注意点を意識する
- お礼状の構成はどの種類のお礼状でもほぼ同じ

香典返しもそうだけど、お礼状についても、実際に当事者になってみないと知らないことってたくさんあるんだよね。
今伝えた情報はあくまで情報であって、情報通りに事が進むこともあるかもしれないけど、そうはいかない時もある。
だけど、ある程度の知識を頭に入れておくことで、焦らずに対応することができるんだ。

そうだね。
知っているのと、知らないのとでは気持ち的にも大きな差があるよね。
お礼状のことだって、お礼状を添える意味やお礼状の種類、お礼状の構成を知っていれば、想いや気持ちがちゃんと伝わるお礼状を、自分が思っている通りに作れるよね。
そういう情報を全く知らないと、ネットに書かれていることや誰かに言われた通りにしかできない。
しかも、それが正しいのかも知らずにお礼状を作ってしまうことだってあるよね。

レミの言う通りだよ。
今回注目した「はがき式」のお礼状は確かに略式かもしれない。でも、6つの注意点と正しい構成を知り、その通りにお礼状を作成すれば、はがき式でも十分に気持ちは伝わる。

そうだよね。
今回もすっごく勉強になりました!!
ありがとう。
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おこころざし.com
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儀不斗くん、この前は「香典返し」のこといろいろ教えてくれてありがとうね。