【家族葬】と聞いてどんな事をイメージしますか。
「身内だけで出来るから気が楽そう」「人数が少ない分、やることが少なくて負担がなさそう」「そもそも家族葬ってよくわからない」色々あると思いますが、真っ先に思い浮かぶのは『普通のお葬式より安くすみそう』だという方、多いと思います。
果たして本当にそうなのでしょうか。現実は想像とちょっと違うかもしれません。
今家族葬を選ぶ人が増えているそうですが、そもそも日常生活で葬儀について考えることってなかなかないですよね。

「今考えなくても問題ない。」「そもそもみんな元気でいるのに、誰かの葬儀なんて不吉なこと考えたくない。」「その時が来たら考えればどうにかなる。」
本当にそれで良いですか。
「こんなはずじゃなかった」と慌てることがないように、大事な人との別れで後悔を残さないように、家族葬の費用やメリット・デメリットなどについて一度考えてみませんか。
- 家族葬のメリット・注意点
- 家族葬にかかる費用
- 家族葬ならではの費用節約方法
- 家族葬はどんな人に向いているのか
Contents
家族葬ってどんな葬儀?

家族葬は家族やごく親しい知人のみで行う葬儀のことです。
家族葬に明確な定義はなく家族しか呼べないということもありませんし、【家族】も故人からみて三親等程度まで呼ぶこともあれば、さらに近い親族のみで執り行うこともあります。
家族葬は、家族のようなごく親しい間柄のみで静かにお別れを望む人の葬儀です。
【誰を呼ぶのか】つまり人数や葬儀の規模以外、基本的には式の流れや内容などに大きな違いはなく、「家族葬だから手抜き」ということもないですし、故人を成仏させる・故人とお別れをするという本来の意味に違いはありません。

家族葬の費用ってどのくらい?比較の仕方も教えます

葬儀にかかる費用は、地域や式の規模によってさまざまですが、家族葬はいったいどのくらいかかるのでしょう。
この記事では、全国規模で対応している【イオンのお葬式】と主な対応地域は東京・神奈川・兵庫・大阪・奈良の東証1部上場の【公益社】の家族葬の費用を紹介します。
含まれる内容や、必要な費用など比較の仕方、さらには家族葬だからできる節約方法についても解説したいと思います。
イオンのお葬式 | 公益社(会員価格) | |
費用・参列人数 | 46万円(税別)・30人 | 94万円(8%の消費税込み)・ 10人 |
宗教費用(お布施) | 含まず | 含まず |
葬儀基本代金 | 含む
|
約38万円
|
式場使用代金 | 含む
※5万円(税別)まで |
約16万円 |
車両代金 | 含む
※マイクロバス・タクシー代金は含まず |
約8万円
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返礼代金 | 含む
|
約1万円
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飲食代金 | 含まず | 約8万円
|
火葬場使用代金 | 含まず
※骨壷代は含まれています |
約8万円
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付帯代金 | 含む
|
約19万円
|
どうでしょうか、2社の価格が倍近く違いますが含まれているサービスや参列する人数も大きく違うのがわかると思います。
火葬場の使用は葬儀を行う以上必ずかかってくる費用なので、イオンのお葬式で葬儀をしても46万円で全てまかなえるわけではないのです。仮にイオンのお葬式で葬儀をし、公益社と同等の火葬代や飲食費用がかかるとすると65万円ほどの金額になりますよね。
さらに読経を上げてもらいお布施を包むとなると、30万円ほど包むことが多いようですのでイオンのお葬式で100万円前後・公益社では130万円前後かかるということになります。
お布施については無宗教で読経をあげない場合はかかりませんし、ひいきにしているお寺が無い場合は葬儀社で手配してくれたりお布施の金額も決まっているという場合もあります。
葬儀の費用を比較する時には、どこまでの内容が含まれているのか・そのほかに必要な費用はどのくらいあるのかという事をしっかり把握する必要があります。
総額のみを見て、「安いから」と決めてしまうと最終的には高額になってしまったという事もあり得るのです。

家族葬だから抑えることができる費用とは?

葬儀の費用には【葬儀にかかる基本的な費用一式】【飲食にかかる費用】【葬儀社ではなくお寺に払うお布施など宗教にかかる費用】が大きな柱としてあります。
葬儀にかかる費用とは式場や火葬場の使用料、棺や祭壇などが含まれます。
飲食にかかる費用とはお通夜の後の通夜振る舞い、告別式後の精進落としなど弔問客を持てますための食事やお酒の費用です。
宗教の費用とは先ほども書いたように、読経をあげてもらう時にお寺や僧侶にお礼として納めるお布施の費用です。
この中で、【飲食にかかる費用】は家族葬だからこそ抑えることができる費用に当たります。
通夜振る舞いとは弔問に来てくださった人たちに感謝の意を表し、故人をしのびながら食事をする事です。
また精進落としは本来、葬儀など四十九日までの行事が一通り済むまでの間、喪に服し肉料理などを控えていた遺族が通常の食事に戻すためのものでしたが、今では告別式の後にお清めの意味も込めて参列してくれた人たちに食事やお酒を振るまう場となっている事が大半です。
家族以外にお世話になった参列者などがいる一般葬でこれらの食事を行わないことは無礼になってしまいますが、家族やごく親しい知人しか参列しない家族葬では大々的な通夜振る舞いなどは行わず、簡単に済ませてしまったり、通夜ぶるまい自体行なわない場合も多いのです。
これは、参列する家族の理解を得る事もある程度必要ですが家族葬ならではの節約術と言えます。

ほかにも、参列者たちで車を乗り合わせてくる場合などは道案内の看板や、タクシー代・マイクロバスの費用なども抑える事ができます。
そして先ほども少し触れていますが、宗教にかかる費用も抑える事ができる場合もあります。
お寺に先祖代々のお墓がないときや、ひいきにしているお寺が無いとき(檀家では無い時)には読経や戒名をおこなわない無宗教の葬儀にする事で費用を抑える事ができます。
ただしお世話になっているお寺がある場合には、今後のお付き合いや関係に支障をきたしてしまったり、親族に反対されたりなどの問題もありますから、よく話し合った上で決めるようにしましょう。
家族葬のメリット・デメリット

家族葬にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょう。

レミのように考えている方は要注意です。思いがけないところでつまずいてしまうかもしれません。家族葬のメリットや注意することなどを知っておきましょう。
家族葬のメリット

家族葬ならではのメリットとはどんなことでしょうか。
- ゆっくりと故人とお別れする事ができる
- 一般的な葬儀の形にとらわれず、費用を抑えたりオリジナルな葬儀をする事ができる
大きくはこのふたつではないかと思います。
ゆっくりと故人とお別れする事ができる
一般的な葬儀では喪主は参列者の対応に追われてしまったり、自身は関わりのない参列者が多く精神的に疲れてしまったりという事が考えられますよね。
身近なひとを亡くし精神的に参っているところ、慣れない葬儀、面識のない人への対応。忙しい中来てくださったことに感謝はしているけれど、疲れてしまうし静かにお別れがしたい。そう思う事があっても当然だと思います。
その点、家族葬では故人との最後の時間を気心の知れた人たちだけで、ゆっくりとお別れができるのは大きなメリットですよね。
一般的な形にとらわれず、費用を抑えたりオリジナルの葬儀にできる
一般的な葬儀では会社関係の方が弔問に来てくださったり、しきたりを重視してなかなかオリジナルな葬儀をあげるのは難しいですよね。
家族葬では食事や宗教的な儀式を省いて費用を抑えたり、故人が好きな音楽をかけたり故人とゆかりの深いものを持ち込んで明るい葬儀にしたりと、オリジナリティに溢れた葬儀にする事もできます。
これも家族葬ならではのメリットですよね。故人からあらかじめ、一般的でない葬儀の希望を聞いていた場合などは希望を叶えるために家族葬を選択するという事もできます。

家族葬の注意点

メリットを知ったところで反対に、注意することはどんな事でしょうか。しっかり理解しておかないと後悔したり中にはトラブルになったりする可能性もあります。
- 葬儀後の弔問が多くなる
- 周りからの理解が得られずトラブルになる
- 結果的に総額や持ち出し費用が一般葬より増える可能性がある
という事が考えられる注意点です。詳しく見ていきましょう。
葬儀後の弔問が多くなる
葬儀を身近な人のみで済ませてしまう家族葬では、故人の友人やお世話になったと感じている多くの人たちがお別れができていないという事でもあります。
そのような人が多いと、葬儀後に「せめて弔意だけでも表したい。」とご自宅に来る事が考えられます。
「葬儀はゆっくりできたけど、これじゃ逆に対応するのが大変!」ということにもなりかねません。葬儀後も、何かとやることはありしばらくは落ち着かない日々を過ごす上に弔問客の対応と、葬儀以上に精神的なダメージを感じてしまうもあり得ます。
周りとトラブルになる
先日、63歳男性の葬儀を。1年前「住職。今日病院で『余命3日』と。膀胱癌が全身に転移だと。常日頃『俺は家族葬でよか』と女房と息子には。が、よくよく考えたら俺は交友関係が。『何故、知らせてくれなかった』と後に息子が皆から非難を。これはあかんよな。準備はしておくから、宜しく」と。 #死 pic.twitter.com/aPCD9Um7H0
— 天徳山 金剛寺 (@kongouji093) August 30, 2019
Twitterにもあるように、遺族が想像する以上に故人の交友関係が広かったり参列できなかった親族が多いと、不満の声が出る可能性は大いにあります。これは故人も望まないですよね。

総額や持ち出し費用が結果的に一般葬より多い可能性⁉︎
どういう事?って思いますよね。
先にも書いたように、家族葬の価格は公益社の参考価格で94万円です。同じく公益社で50人の参列者で一般葬を行なった場合の参考価格は149万円になっています。
ちなみにこの価格は、家族葬の参列者10人(内訳として親族8人・一般参列2人)、一般葬は参列者合計が50人(内訳として親族20人・一般参列30人としています)
参考:公益社
香典を参列者全員から頂き一般的な相場から、親族から一律3万円・一般参列者から一律1万円と仮定して考えてみましょう。
家族葬 | 一般葬 | |
葬儀総額 | 94万円 | 149万円 |
参列者人数(親族・一般) | 10人(8人・2人) | 149人(20人・30人) |
親族香典(3万円×人数) | 24万円 | 60万円 |
一般香典(1万円×人数) | 2万円 | 30万円 |
香典総額 | 26万円 | 90万円 |
持ち出し費用(葬儀総額−香典総額) | 68万円 | 59万円 |
どうでしょうか、家族葬よりも一般葬の方が結果的に9万円安くすむ事がわかると思います。

どの状況でも安くなるというわけではありませんが、絶対に家族葬のが安いというのは間違った解釈なんです。
包む金額は関係性などで変わってきますから一概には言えませんが、一般葬の方が参列者が多い分、香典の金額も高額になります。
その結果、持ち出しの金額は一般葬のが安くなるというのはあり得るんです。
また、オリジナリティを追求するあまり総額が一般葬よりも高額になるという事もあり得ます。
家族葬のが安くすむからと思い込みそれだけの理由で家族葬を選ぶのは、お金だけでなく周りとの今後の人間関係の面からもやめた方がいいと言えますよね。

家族葬が向いているのはどんな人?家族葬にする理由を明確にしよう

家族葬が向いている人はズバリ
- 故人が静かな葬儀を望んでいた
- 交友関係が広くない
- 遺族が強く望んだ時
ではないでしょうか。
故人が残される家族の負担などを考えたり、大々的な儀式を好まないなど、小規模の葬儀を希望している時には、家族葬でも問題ないと思います。
交友関係が広くなく、家族葬にしても周囲との関係に影響がないと判断された時も、身近な人のみで行う家族葬は向いていますよね。
また、お子さんを事故で亡くされたなど、あまりにも突然のことで周囲をもてなす余裕がないときや遺族が強く望む場合も家族葬にするのはいいと思います。
いずれの場合も、家族葬を選択するのは何故なのかという理由をはっきりさせて、親族や周囲の理解を得ることでトラブルになることなく、また「こんなはずじゃなかった」と後悔することなく葬儀をする事が出来ると思います。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
リーズナブルなイメージの家族葬ですが、実は必ずしもそうとは限らないという結果に驚いた方もいらっしゃると思います。
葬儀は大切な人との最後の時間でもあります。お金のことを考えるのもとても大切なことですが、それだけにとらわれる事なく、後悔しない葬儀になるよう周囲と話し合い、計画することの大切さがお分りいただけたのではないでしょうか。
ふだん気にすることのない葬儀ですが、家族で話し合うきっかけにこの記事がなっていれば嬉しく思います。
- 家族葬は故人と遺族や親しい友人がゆっくりと最後のお別れが出来るというメリットがある
- 反面、負担する費用が一般葬より高額になる事もある
- 参列できなかった親族や知人などとトラブルになる事もある
- 家族葬にする目的を明確にして、周囲の理解を得る必要がある
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