




レミがかつてない程にピンチのようですがそんなレミのようにある日突然、上司から葬儀の受付を頼まれてしまった!という方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
受付は弔問に来てくださった方が最初に立ち寄る場所です。いわば葬儀の顔です。喪主である上司に信頼されて頼まれているわけですから、無礼があってはいけません。
あなたの振る舞い次第でさらなる信頼を勝ち取る事ができるかも知れませんし、落胆させてしまうかもしれません。
そんな大役を引き受けるなんて、正直ちょっと気が重いですよね。
でもそれは葬儀に関する知識に自信がないから、必要以上に身構えてしまっているのかも知れません。
この記事では葬儀の受付を頼まれた時に必要な、知識やマナーを徹底的に解説します。レミと一緒にしっかり身につけて自信を持って当日を迎えましょう。
こんな方におすすめ
- 上司から葬儀の受付を頼まれた人
- 葬儀の受付をする事になったけど所作やマナーに自信がない人
- 葬儀の受付をする時に必要な知識やマナーについて1から知りたい人
Contents
葬儀受付を頼まれたらまずは身だしなみの意識を。

葬儀の受付を担うということは、あなたは葬儀を主催する側の立場になります。弔問に来てくださる方にしてみたらあなたが親族なのか、ただの部下なのかどうかなんてことは関係ないのです。
主催する側として受付に立つ以上、服装や髪型など身だしなみをきちんと整えなくてはなりません。
受付を引き受けた時にまず気にしなくてはいけない【身だしなみ】について紹介していきます。
身だしなみ男性編
男性は礼服(喪服)です。黒いスーツに白いワイシャツ、黒い無地のネクタイは最低限必要な服装です。
上着のデザインはシングルでもダブルでもマナー違反にはならないので、手持ちの礼服で大丈夫です。

男性でも前髪が長く、顔にかかる場合は短くするなどしておきます。長髪の人も束ねるなどして身だしなみを整えます。
髪ゴムを使う場合は黒色にして、ワックスやムースなどの整髪剤を駆使した凝った髪型も控えましょう。
足元はシンプルで光沢のない黒色のものにします。デザイン性の高いものやローファーはカジュアルな印象が強く葬儀の場にはふさわしくありません。
特に気をつけたいのがスウェードや型押しであってもワニ皮調のものなど、殺生を連想するようなものは靴に限らず身につける事は控えます。
アクセサリー類は、結婚指輪以外の指輪は身につけず、ネクタイピンも使用しません。腕時計はゴールドのものは控えシンプルなものを選ぶようにします。
身だしなみ女性編
女性は礼服(喪服)のワンピースやセットアップです。ワンピースやスカートはひざ下、ブラウスを着用する場合も黒色のもので華美な装飾のないシンプルなものにします。袖や袖口、エリに多少のレースがあるなどは気にしなくても大丈夫です。
髪が長い方はまとめる、前髪が顔にかかる人はピンで留めるなどして落ちてこないように配慮します。髪ゴムを使う場合は黒色のものにします。ゴールドの装飾があるものや華やかなデザインの髪留めなどは控えます。


ストッキングは肌色のものでもマナー違反ではありませんが、今回は弔問客ではなく受け付け係としての服装ですので、やはり黒色のものを着用するべきだと思います。
パンプスは光沢のない黒色、ヒールが高いものはデザイン性が高い印象を持たれやすいので、3cm~5cm程度のものが良いですね。
メイクは控えめにします。葬儀は故人をしのぶための時間ですから、誰のための、どのような時間なのかという事を意識して、最低限の身だしなみを整える程度のメイクが好ましいです。
オフィスワークの方はなかなか普段からネイルをしていると言う方は少ないかもしれませんが、見落としがちなのがネイルです。最近はマニキュアではなくお店でジェルネイルを施してもらう方も多いですよね。とってもキレイな爪も葬儀の場にはふさわしくありません。
マニキュアであれば自宅で簡単にオフできますが、ジェルネイルをキレイにオフするのってちょっと難しいですよね。
理想はお店でオフしてもらうのが余計な事に気を使わずに済みますし、一番いいと思います。でもできれば落としたくないと言う方には、苦肉の策でベージュやあわいピンク色のマニキュアを上から塗ってしまうという方法があります。
ただし、ストーンなどがついたデザイン性の高いネイルではこの方法は不自然ですので、お店でオフしてもらうのがやはり一番かと思います。

上からマニキュアを塗った場合、注意したいのがリムーバーの種類です。
アセトンを含んだリムーバーを使ってしまうと、ジェルネイルもはがしてしまうこともあるのでアセトンフリーのものを使いましょう。
アクセサリーは結婚指輪以外の指輪は外し、ネックレスをつける場合は白や黒、あるいは濃いグレーの一連パールのみです。ピアスやイヤリングも同色の一粒ものを身につけます。
アクササリーは、必ず身につけなければいけない物ではありません。身につける場合はパールを選び、シルバーやゴールドのアクセサリー類はシンプルなものであっても身につけてはいけません。
葬儀という場ですから、男性同様スウェードや型押しであってもワニ皮調など殺生を連想させるようなデザインのバッグなどを身につけるのは好ましくありません。
当日は早めに行って受付のセッティングや会場の把握を

当日は特に指示がない場合は、どんなに遅くとも1時間前には行って準備などをしなくてはなりません。
- まずはご遺族へ挨拶
- お焼香を済ませる
- 受付のセッティング
- トイレや喫煙所、会場の場所などを確認
- 受け付け係の人数によって役割の確認


ご遺族への挨拶とお焼香を済ませる
会場に着いたらまずはご遺族に挨拶をします。
「いつもお世話になっております、〇〇(上司)さんの部下の〇〇と申します。この度は御愁傷様でございます。本日受付のお手伝いをさせていただきます。他にも何かできることがありましたらお声がけください。」
など自分の名を名乗り、お悔やみの言葉をかけます。当日は葬儀が始まっても受付を離れられないことも考えられます。そのため、「先にお焼香をあげさせていただいてもよろしいですか。」など一言声をかけてからお焼香をあげるのも忘れないようにしましょう。
受付のセッティング
挨拶を済ませたら受付づくりから始めます。葬儀が始まる30分前には整っている状態にする必要があります。香典受けや名刺受け、芳名帳(芳名カード)や筆記用具などを準備します。
会計係が行う場合もありますが、芳名帳の各行の頭、カードの場合は【No.】記入欄に番号をあらかじめふっておきましょう。このちょっとした作業が、香典管理の時に役立ちます。

トイレや喫煙所、会場の場所などを確認
弔問に訪れた人に困り事があった場合、声をかけやすいのは受付です。そのため、「トイレの場所は?」「タバコが吸えるところはある?」「オムツ替えができるところはある?」「駐車場はどこ?」「待合室はどこ?」など聞かれる可能性がありそうな事は一通り確認しておくと、いざという時安心です。
受付を済ませた後に「会場はあちらです。」「会場はこの奥右手です。」など案内できると親切ですよね。会場の位置関係なども把握しておきましょう。
受け付け係の仕事内容とご挨拶の言葉

準備が整い弔問客がいらっしゃる時間になったら応対をします。
- 弔問客へ挨拶をして芳名帳(カード)への記入をお願いする
- 香典を預かる
- 会葬返礼品を手渡す
- 会場を案内する
- 会計係に香典を渡す
- 弔電などの届け物や落し物などへの対応
弔問客へ挨拶をして芳名帳(カード)への記入をお願いする
まずは来てくださった方に挨拶をしてから一礼します。そのあとに芳名帳(カード)に記入していただくようお願いします。
その際は
「本日はお足元の悪い中、ありがとうございます。」(雨の日)
「恐れ入りますが、こちらにご記入をいただけますか。」
「恐れ入りますが、こちらに住所と氏名を頂戴できますか。」
などとご挨拶・お声がけをしてペンを手渡します。
記入してもらっている間に会葬礼状や返礼品の用意をしたり、お待ちの方がいらしてスペースに余裕がある場合、芳名カードの時や芳名帳が2冊ある場合などはその方にも同様にご挨拶をして記入をお願いします。
香典を預かる
記入が終わり、カードと香典を差し出されたら、必ず両手で受け取り「お預かりいたします。」とお礼を述べてここでも一礼します。

この時、芳名帳(カード)や香典袋の名前が苗字だけの場合は下の名前をお聞きしてメモします。
この際も「恐れ入りますが、下のお名前もお聞きしてよろしいですか。」「失礼ですが、下のお名前も頂戴できますか。」などと言い、何かをお願いする時には「失礼ですが」「お手数ですが」などと一言添えるように心がけましょう。

時に、香典を受け取らないというご遺族の方もいます。
その際は通常、会場でも張り紙や看板等で案内がありますが、そのことを知らずに香典をお持ちになる方もいますのでその場合には、「恐れ入りますが故人の意思でご香典は辞退させて頂いております。お気持ちだけありがたく頂戴いたしますので、どうぞお納めください。」とお断りします。

会葬礼状(返礼品)を手渡す
香典を受け取ったあと会葬礼状や返礼品をお渡ししますが、その際にも「こちらお受け取りください。」と一言添えます。
会葬礼状の際は両手で、返礼品の際は差し出した反対の手は下に添えて渡します。


会社の有志一同、自治会一同などの香典をいただくこともあります。その際は、会葬礼状や返礼品はいくつ必要かお聞きしてお渡しするようにします。連名の場合も書かれている人数分用意して、お渡しします。
会場を案内する
会葬礼状や返礼品を手渡したら、手で方向を示しながら「会場はあちらです。」「会場はこの先右手です。」などと会場を案内します。
会計係に香典を渡す
相手の方がその場を離れたら香典を会計係に渡しますが、その前に芳名帳(カード)や香典袋が苗字のみの場合はフルネームになるようメモをします。
そして芳名帳にあらかじめふっておいた番号を香典袋の裏にメモしたり、有志一同などで返礼品を複数渡した場合にも裏に人数をメモしておくと後で整理する際にわかりやすいので、会計を担当する人と協力して行いましょう。

弔電などの届け物や落し物への対応
受付には弔電やお花、落し物なども届きます。
お届け物の場合、誰からなのかを記帳して弔電は会場のスタッフに渡します。お花など供物の場合は後で渡せるようにしておきましょう。
落し物の場合は、拾った場所などをお聞きしてお預かりします。

- (弔問客がいらしたら)「本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。」(一礼)「恐れ入りますが、こちらにご記入をお願いいたします。」(ペンを手渡す)
- (差し出された芳名カードや香典を両手で受け取り)「ありがとうございます。お預かりいたします。」(一礼)
- 「こちらお受け取りください。」と会葬礼状や返礼品を手渡す
- (手で示しながら)「会場はあちらでございます。」とご案内する



一度に複数の方がいらしたりするとパニックになってしまいそうですが、受付に滞在する時間はそう長くはありませんし、いらした方が何時間も待つような事にはなりません。
「待たせてしまうから」などと焦らず、ひとりひとり丁寧に対応することが大切ですね。
葬儀の場ではふさわしくない言葉

葬儀の場では使うべきでない、忌み言葉というのがあります。
さまざまありますが、ここでは特にご遺族の前や受付で使ってしまいような言葉を厳選して解説します。
重ね言葉
【かさねがさね】【くれぐれも】【度々】
このような同じ言葉を繰り返す重ね言葉は、不幸なことや悲しいことが続く・繰り返されるというイメージを持つため葬儀の場では使いません。
受付では何度もお礼をいう場面がありますが、「かさねがさねお礼申し上げます。」などとは言いません。
ご遺族にもなんとか励まそうと、「くれぐれもお力を落とされませんように。」など声をかけてはいけません。

不吉なことを連想させる言葉
【大変】【再び】【続く】【繰り返し】などもふさわしくない言葉です。
「これから大変でしょうが」などは使うべきではないので控えるようにします。

受付以外の手伝い

場合によっては、受付以外の手伝いを頼まれることもあります。多いのは駐車場などの誘導(案内)係や会計です。
受付以外のお手伝いをする場合も、主催する側の立場として失礼のないように準備をしっかりしておかなくてはなりません。
案内係

葬儀の規模などによって、案内係を手伝うこともあります。この場合の髪型や服装などの身だしなみは受け付け係をする場合と同様です。案内係を手伝う場合も事前にお焼香を済ませておいた方が良いですね。
駅や駐車場から会場までの行き方などを事前に確認しておき、言葉遣いや振る舞いなどに気をつけて応対します。
弔問客などをお見掛けしたり、前を通り過ぎる際には「ご苦労様です。」とお声がけをしたり、会場の場所を聞かれたりした場合も「〇〇家の葬儀会場でよろしいですか。」と確認してからご案内すると丁寧で良いと思います。
会計係

会計係は基本的に弔問客と直接関わるような事はありませんが、一時的にでもお金を扱うので慎重に管理しなくてはなりません。
中身を確認するのかなど、会計係としてどこまでやるのかは喪主の判断によってさまざまなので、会計を手伝う際はどこまでして良いのか・預かった香典は誰に渡せば良いのかをあらかじめ聞いておきます。
- 受付から香典を受け取る
- 香典袋に書かれた金額と中身が一致するか確認する
- ノートに香典袋にメモされた番号と氏名、金額を記入。中身と金額が違う時などもメモしておく
- 香典をまとめ、あらかじめ指定された人に香典を渡す
書かれた金額と中身が違うといったトラブルも稀に起こり、記載金額の合計と実際の合計金額が合わない場合もあります。不要なトラブルを避けるためにも会計係は一人では行わない、預かっている間はその場を離れないといったことも大切です。
まとめ

いかがでしたでしょうか。社会人になるとこのような場面も出てくると思います。
また、上司だけではなく親族や普段親しい付き合いのある人から頼まれるといったこともあります。
そういった時に慌てない、ただでさえ身内を亡くし気力をなくしている人の助けになれるよう、こういった知識を身につけておいて損はありません。
この記事がそうした知識を身につけるお役に、少しでもなっていれば何よりです。
- 受付係をする際の身だしなみは主催者側の立場として特に気をつける
- 葬儀が始まる前に準備を整え、トイレや会場の位置を確認しておく
- 遺族や弔問客には失礼のない振る舞いで、忌み言葉などにも気をつける
- 受付以外の手伝いをする場合もある
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