長年の介護によって、親の葬儀費用が払えなくなってしまうという方は少なくありません。
介護生活が長引くということは、それだけ出費も増えるからです。介護に専念するあまり仕事が思うようにできなくなり、収入が減ったり無くなったりすることさえあるかも知れませんよね。
Yahoo!知恵袋でもこんな声が寄せられています。
在宅介護に専念して11年。この度亡くなったのですが、介護費用に貯金も全て使い果たし葬儀費用が払えません。無職でもローン借り入れ出来るものでしょうか?
引用:Yahoo!知恵袋
この質問者の方と同じように、介護生活を終えるころには貯金を使い果たしてしまうということが私たちの身にも起こり得るのではないでしょうか。
とはいえ介護で忙しくしていると、行政の経済的な支援を活用するために動く力がなくなってしまうことがありますよね。「介護うつ」という言葉で表現されるように、介護生活の終わりを願ってはいけないと思いつつ、終わりの見えない戦いに疲れ果ててしまうことがあるのです。
少しでも気持ちにゆとりを持つため、また突然のことに慌てないためにも、親の葬儀費用が払えないもしくは払えなくなりそうといった場合の対応策について知っておくことをオススメします。
こんな方におすすめ
- 葬儀費用が払えない、もしくは払えそうにない方
- 葬儀をなるべく安く済ませたいと思っている方
- 人が亡くなったときに受け取れる給付金について知りたい方
Contents
葬儀費用を払えない場合はどうしたら良い?
葬儀費用はたいてい、喪主(もしゅ)つまり葬儀をとり行う人が負担することが多いものです。相続人となり、故人の財産をゆずり受けるからです。
葬儀費用はその財産からまかなうのが一般的ですが、財産が残っていない場合、喪主がひとりで苦しんでしまうことになりますよね。どうしたら良いでしょうか。
親族に負担してもらう
まずは親族に相談してみましょう。この方法をオススメするのは、心理的な負担が圧倒的に少ないからです。
喪主であるあなたの兄弟や、あなたの子どもが成人して働いていれば一緒に負担してくれないでしょうか。あなたの親にお世話になったという人であれば特に、協力したいと思ってくれているかも知れませんよね。
自宅介護の場合、お見舞いで家を訪ねてくれる人もいることでしょう。あなたが親のお世話を一生懸命行っている姿を見てくれている人もたくさんいるはずです。

葬儀会社のローンを利用する
葬儀費用の支払いは現金での一括払いが一般的ではありますが、葬儀会社によっては分割払いに応じてくれることもあります。ローンの申し込みは、葬儀を申し込むときと同じタイミングで行われます。
金利や月々の支払い金額等、親が亡くなってからではなく前もって調べておくと安心ですね。葬儀会社から資料請求を行えますので、今から近くの葬儀会社の葬儀プラン等の情報を集めておくことをオススメします。
ローンの審査では支払い能力があるかどうか問われます。どんなローンでも共通して、安定して収入を得ているか見られますよね。葬儀のローンも基本的に同じです。
自治体の葬祭扶助(そうさいふじょ)制度を活用する
これは故人ではなく喪主が生活保護の支給を受けている場合に活用できる制度です。故人が生活保護の支給を受けていても喪主や遺族に支払い能力がある場合は活用できませんのでご注意ください。
福祉事務所に生活保護の相談窓口が設けられています。厚生労働省のホームページから最寄りの福祉事務所をご確認なさってください。住んでいる地域に福祉事務所がなければ、市役所(区役所)でも申請が行えます。
参考:厚生労働省
生活保護法の第18条で、葬祭扶助で行える事柄の範囲を定めています。
一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの
引用:厚生労働省
遺体を安置し、火葬して納骨するまでの必要な費用全額を自治体が負担してくれるという制度です。通夜や告別式等の宗教的な儀式は行われず、最低限のお別れとなります。

葬儀費用を安く済ませるためにどうしたら良い?
もちろん、誰もが故人の尊厳(そんげん)を重んじて、できる限りのことをしてあげたいと思うものですよね。それでも経済的に厳しいケースは実際に存在します。
そこで、お別れのための選択肢を増やしておいてはいかがでしょうか。葬儀の全国的な相場は200万円と言われていますが、葬儀の形式や内容によって葬儀費用は節約できるのです。
「直葬(ちょくそう)」を選ぶ
一番安い葬儀の形式です。葬祭扶助制度で行われる葬儀と同じ内容です。20万円以下で行えます。
遺体を安置してある場所から葬場に送り火葬を行います。


それでも、通夜や告別式を行わないことで後になって後悔する人もいるようです。よく考えて選びたいところですね。
「市民葬(区民葬)」を選ぶ
自治体が葬儀会社と協力して作った制度です。目的は市民の経済的な負担をやわらげることですから、この制度を利用するための条件はありません。誰でも利用が可能です。葬儀の内容にもよりますが、50万円以下で行えることが多いようです。
市役所(区役所)に死亡届を提出するタイミングで、市民葬(区民葬)で行いたいということを伝えてください。窓口で提携(ていけい)している葬儀会社を紹介してくれます。あなたが既に提携している葬儀会社を知っている場合は、その葬儀会社で希望を伝えてください。
詳しくは市役所(区役所)の窓口でたずねるか、ホームページで調べてみましょう。
一般的な葬儀でも、内容を検討する
葬儀の費用は、大きく分けて3つに分けられます。
- 葬儀一式にかかる費用
- 飲食接待費
- 寺院費用
葬儀の見積もりを取ってもらった後、不要なものをのぞいていくことができるでしょうか。コツは、絶対に必要なものと場合によっては必要なものを分けて考えてみることです。
たとえば家族や親族のみで行う「家族葬」であれば、飲食接待をする必要がないとみなして「飲食接待費」をのぞくことができますよね。案内看板やマイクロバスの利用も、のぞいても問題ないケースがあるかも知れませんね。

誰でも、人が亡くなったという事実だけで大きな衝撃を受けるものです。身近な人、育ててくれた親であればなおのこと、混乱して冷静な判断ができなくなりますよね。
残念ながら葬儀会社によっては、そうした心理状況を利用して高額な葬儀費用を請求しようとするところもあります。見積もり金額に不明な点があれば必ず質問してください。
忘れずに給付金を請求しましょう
故人の生前の保険から給付金が支給されます。申請しなければ受け取れないままになってしまいます。忘れずに申請、請求してくださいね。
申請書類に加えて、マイナンバーカードや住民票の写し等が必要になることもあります。必要な物について各自治体や会社にご確認なさってください。
「遺族年金」
生計を共にしていた家族で条件を満たしていれば故人の年金を受け取れます。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。どちらが受けられるか、あるいは両方受けられるかは受給の条件や金額によって変わってきます。
遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらも受け取れない場合「寡婦(かふ)年金」や「死亡一時金」を受け取ることができるかも知れません。
年金事務所に納付状況を確認して、受けられる制度を活用してくださいね。
「葬祭費」「埋葬料」「埋葬費」
加入していた医療保険から支給されるものです。医療保険の会社によって呼び名が変わります。
保険の名称 | 申請先 | 名称 |
国民健康保険・後期高齢者医療 | 自治体 | 葬祭費 |
健康保険・共済組合・船員保険 | それぞれの医療保険会社 | 埋葬料・埋葬費 |
どの保険に加入しているかは故人の保険証を確認してください。各自治体また医療保険会社のホームページから、申請書をダウンロードできます。
「高額療養費制度」
一ヶ月の医療費の自己負担額が高額になり、決められた上限額を超えた場合にその超えた分を、加入していた医療保険から支給してもらうことができます。この上限額は年齢や所得によって変わります。
こちらも申請書を各自治体や保険会社のホームページからダウンロードできます。医療費の領収書を一緒に提出するよう求められる場合もありますので保管しておいてくださいね。
保険会社によっては、親切なことに申請するよう教えてくれたり自動的に振り込んでくれたりします。
参考:厚生労働省
「死亡保険金」
故人が生命保険に加入していれば、プランに応じた金額を受け取れます。保険会社に連絡をして申請を行ってください。
これらの給付金によって葬儀費用が全額まかなえるわけではありません。あくまで葬儀費用の足しにする、という気持ちでいてくださいね。
最後に
様々な方法を紹介してきましたが、何が正解かはひとりひとり違うことでしょう。
実際に直葬でお別れした方はこのように述べています。
うちの父ちゃんは直葬。
お葬式をあげた方が区切りをつける事が出来ると思うけど、立派なものをあげれば良いってもんでもない。
でもお坊さんにお経をあげてもらいたかったという気持ちは今もある。何にしろ、後悔や心残りがないようにお互い生きているうちに孝行しておいた方が良いですよ。
— はるこ (@No_nAME_On_oVER) June 24, 2019
大切なのは葬儀の形式や内容ではなく、故人を思う気持ちではないでしょうか。生きている間に、どれだけのことができたかということではないでしょうか。
故人も、葬儀にかかった費用のことで残された人たちがその後も苦しむことは望まないのではないかと思います。
- 葬儀にあたって自身が活用できる制度を把握しておく
- 葬儀会社へ資料請求、見積もり等の事前相談をする
- 給付金請求のために必要な物(マイナンバーカード、通帳、印鑑等)をそろえておく
お別れを落ち着いて受け止めるためにも、葬儀のために前もって準備をしておくと良いですね。
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