葬儀費用は確定申告の控除の対象?知っておきたい相続税申告

あなたは、葬儀にかかった費用を申告すると税金が控除されるケースがあることを知っていますか。また、申告手続きのもれによって追加でお金がかかってしまうケースがあることを知っていますか。

当然のことながら、葬儀を行うためにはお金がかかります。葬儀の形式にもよりますが、10万円台で行えるものから100万円を簡単に超えてしまうものまで、通常その価格帯は幅広いものです。

葬儀の費用は、どうしても高額になってしまいがちですよね。大切な人とのお別れですから決してお金を惜しむわけではないのですが、どうにかお金が戻ってくるような方法はないかと考えてしまうのはあなただけではありません。

自身の預貯金を圧迫することになっては大変ですよね。

今回は葬儀にかかった費用を申告すると税金の控除が受けられるのか、といったことをテーマにお伝えします。また、手続きのもれによって追加でお金がかかってしまうようなことにならないよう注意が必要な点についても紹介します。

 

葬儀費用は確定申告の控除対象になる?

葬儀費用は確定申告の控除対象にはなりません。なぜなら、そもそも確定申告とは所得にかかる税金額を調整するための申告手続きだからです。

レミ
確定申告って、お金がもらえる手続きじゃないんですね。
儀不斗
それは自分が払いすぎていた税金を払い戻してもらう申告手続きのことだね。

もちろんそういう側面もあるけれど、確定申告の目的はあくまで自分の1年の収入に対して正しい額の税金を納めることだと覚えておいてね。

収入は同じでも、出費は人によって全然違いますよね。結婚して養っている家族がいる人は、独身の人よりもお金がかかります。持病を抱えていて定期的に病院に通っている人は、病気とは縁のない健康な人よりもお金がかかりますよね。

国は「私は他の人よりもお金がかかって大変なんです」という人に対して、本来支払うべき金額から決まった金額を差し引いて税金を請求することにしました。これを「所得控除」と呼びます。

結婚して養っている家族がいる場合は「配偶者控除」や「扶養控除」が受けられます。通院していて医療費がかさむ場合は「医療費控除」が受けられます。この合計14種類ある所得控除に、なんと葬儀費用は含まれないんです。

でも、その年にお金がたくさんかかったことには変わりありませんよね。なんとかならないものでしょうか。

国は、葬儀費用を確定申告の控除の対象にしないかわりに別の仕組みを用意しました。それは、葬儀費用を相続税の申告において控除対象とすることです。「相続税申告」とは何でしょうか。

用語の説明

「確定申告」

1月1日から12月31日までの所得に対する税金(所得税)の額を翌年の2月から3月の間に計算して申告し、税金を支払うための手続きです。これによって過払い分、また不足分を調整することができます。

混同してしまいがちなのが、会社が手続きしてくれる「年末調整」です。年末調整では、毎月支払ってきた所得税の精算をしますよね。「確定申告」とは別の手続きになりますので注意してください。

「控除」

ある金額から、決められた金額を差し引くことを意味しています。

 

葬儀費用が控除対象となる「相続税申告」とは何か?

相続税が発生する場合に必要な申告手続きのことです。相続人が行います。相続税が発生するのは、ゆずり受ける財産の合計額から債務と葬儀費用を引いた額が基礎控除額を超える場合です。

相続税とは、亡くなった人(被相続人)から財産をゆずり受けた人(相続人)がその財産に対して支払う税金のことです。相続税の対象になる財産には、現金や預貯金の他にも土地や建物などお金に換算できるものすべてと、債務も含まれます。

用語の説明

「債務」

亡くなった人が借りていた、また支払っていなかったお金、いわゆる借金のことです。税金の未払いがあった場合もこれに含みます。

「法定相続人」

財産をゆずり受ける人のことです。亡くなった人から見て配偶者、そして順に子、父母(亡くなっている場合は祖父母)、兄弟や姉妹です。

相続する財産には何が含まれるかなど、相続税に関してより詳しい情報について知りたい方は国税庁の相続税のあらましをご覧ください。

儀不斗
日本では最大で55%の相続税が課せられるんだ。この税率は世界でも1位、2位を争うレベルだよ。
レミ
半分以上が税金で引かれるってことじゃないですか!

【基礎控除額の求め方】

3,000万円 +(600万円×法定相続人数)

相続税申告のポイント

財産の合計額から債務と葬儀費用の合計額を引いた数

  1. 基礎控除額を上回るなら、申告が必要です。(相続税が発生している)
  2. 基礎控除額を下回るなら、申告は不要です。(相続税が発生していない)

たとえば、相続人が配偶者1人であれば3,600万円が基礎控除額になりますよね。財産の合計額から債務や葬儀費用を引いたときの金額が、3,600万円よりも上回るなら申告する必要があります。

図のAさんもBさんも、相続人は自身1人なので基礎控除額は3,600万円です。

Aさんは基礎控除額を下回るのに対しBさんは基礎控除額を上回っていますよね。Bさんは相続税申告をしなければなりませんね。Aさんは相続税申告をする必要がありません。

ということは、Bさんは葬儀費用の控除が受けられるのに対し、Aさんは葬儀費用の控除を受けることができません。

なんと、すべての人が葬儀費用の控除が受けられるというわけではないんです。残念ながら現在の日本の法律では、他の手続きで税金の控除を受ける仕組みがありません。

レミ
せめてお葬式の費用だけでも、子どもに残してあげられるように頑張らなきゃ。

それにしても葬儀費用とは、一体どこからどこまでの範囲のことを言うのでしょうか。控除の対象となる葬儀費用に焦点をあててみましょう。

相続税申告で控除が認められる葬儀費用とは?

簡単に言うと、葬儀を行うにあたり絶対に必要な費用のことです。国税庁のホームページで、葬儀費用として認められるものと認められないものを説明しています。

【葬儀費用として認められるもの】

(1) 葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)

(2) 遺体や遺骨の回送にかかった費用

(3) 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)

(4) 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用

(5) 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用

引用:国税庁

遺体や遺骨を運んだりすることは、葬儀と切っても切れない関係にありますよね。基本的に葬儀の一連の流れの中で必要な費用が含まれると言えます。

【葬儀費用として認められないもの】

(1) 香典返しのためにかかった費用

(2) 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用

(3) 初七日や法事などのためにかかった費用

引用:国税庁

この中には葬儀に必要ではないものが含まれていますよね。

レミ
確かにお墓を建てるお金は、お葬式とは直接関係がありませんね。

相続税申告の手続きの際、領収書が必要になります。必ず保管してくださいね。

またお布施が良い例ですが、領収書を発行してもらえないこともありますよね。そうした場合は自身でまとめて記録しておくと証明になります。提出が求められますので、日付、支払い先、金額、目的を必ず控えておきましょう。

儀不斗
だからと言って、支払っていないものを支払ったかのように提出することは絶対にやめてくださいね。税務署が調査するとすぐに発覚します。

相続税申告はいつまでに済ませれば良い?

亡くなった日の翌日から起算して10ヶ月以内の間です。申告も納税も、この期間で終わらせなければなりません。

だれかが亡くなると、親族は書類上の手続きに追われてとても忙しくなるものですよね。葬儀が終わってようやく落ち着ける、とホッとするかもしれませんが相続税の申告手続きも忘れないでください。

だれが何を相続するのか、という話し合いが長引いてしまうことが往々にしてあります。早めに話し合いを始めてくださいね。

 

亡くなった人の確定申告(準確定申告)は行うべきか?

確定申告を行わなければならない人が亡くなった場合、相続人がかわりに行わなければなりません。逆に言えば、確定申告を行う必要のない人が亡くなった場合は行わなくて良いということです。

レミ
すべての人がやらなきゃいけない、というわけではないんですね。

【確定申告を行わなければならない人】

  • 給与の年収が2,000万円を超える人(会社で年末調整が行えないため)
  • 給与や公的年金の他に副業などで20万円を超える収入があった人
  • 給与を2ヶ所以上の事業所から受け取っていて、年末調整を行っていない人
  • 個人事業主の人
  • 公的年金による収入が400万円を超える人
  • 給与や公的年金の他に20万円を超える収入があった人

参考:国税庁

確定申告が必要になるケースは様々ですので、これはあくまで一例です。

亡くなった人が確定申告をする必要がある人だったのか見きわめることが難しい場合は、ひとりで悩んでしまう前に税務署へ相談してみてください。準確定申告は相続税申告よりも短い期間で行わなければならないからです。

準確定申告はいつまでに済ませれば良い?

亡くなった日の翌日から4ヶ月以内の間です。通常の確定申告は毎年2月~3月の間に前年の1月1日~12月31日の申告を行いますよね。準確定申告は違います。

準確定申告が2年分必要になるケースもあります。

たとえば2019年の1月末に亡くなった人は、2018年分の確定申告が行えていませんよね。また、2019年にも収入が発生していれば2019年分の確定申告も必要になります。

この場合、2018年と2019年の2年分の準確定申告を行わなければなりません。

税務署に行かなくても、自宅で必要な書類をダウンロードすることができます。準確定申告の書類は通常の確定申告で使用するものと共通のものです。国税庁の確定申告書等作成コーナーをご利用ください。

 

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。葬儀費用と申告手続きの関係や、亡くなった人の税務手続きの必要性について理解していただけたのではないでしょうか。

大切な人を看取った直後から、別れを惜しんでいる間にも法律で決められた手続きの時間は減っていきます。相続税申告も準確定申告も、申告と納税が遅れれば追加で税金が課せられますから注意が必要です。

それぞれの申告の手続きを行う場所は、亡くなった人が当時住んでいた場所を管轄している税務署です。国税庁のホームページで最寄りの税務署を検索できますので、活用してみてください。

今回の記事のポイント
  1. 葬儀費用は、確定申告ではなく相続税申告の控除対象となる
  2. 相続税申告はすべての人が行うわけではないので、葬儀費用の控除が受けられない人もいる
  3. 準確定申告は、確定申告を行う必要がある人が亡くなった場合に行うよう求められるもの

今回紹介したどの手続きにおいても、わからないことは何でも税務署に相談してくださいね。詳しく教えてくれるはずです。

儀不斗
税金関係は複雑で難しい決まりが多いのでつい後回しにしたくなってしまいますが、それぞれの申告期限に間に合うようくれぐれも注意してくださいね。

あなたが申告の手続きを行なう上で、この記事が参考になりましたら幸いです。

 

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