一生に1度か2度あるかも分からない遺産相続という存在。
遺産と聞けば親の貯金や持ち家、先祖代々の家宝などの財産が思い浮かびますが、遺産の概念は貰えるだけのモノではありません。
例えば親が残した借金も遺産です。
借金などの負債を残して亡くなった場合、その借金までも相続した人はどうなるのでしょうか。
出来ません。
してたのに、親父が死んで、遺産という借金でとられました。。。 #peing #質問箱 https://t.co/VID730orJI— ヒラツカリプソベイべー (@Hiradarkknight) September 6, 2019
原則として親の借金を子供が支払う義務はありませんが、親が死亡して相続が発生した場合は別です。
自分がした訳でもない借金が急に出てきて、しかも自分が払わないといけないなんて状況、皆さんは想像したことはありますか?
一生に1度あるかないかの相続で、もし莫大な借金を引き継いだら、今までの生活や家族の今後はどうなってしまうのでしょうか。
遺産相続には「する」か「しない」の二択しか存在しません。
相続するとマイナスになってしまう様な場合、相続人には自らの意思で相続をしないことを選択するという自由が認められています。
これを相続放棄といいます。
相続放棄をすることで、最初から法定相続人ではなかったという扱いになるので、一切の権利義務の承継を免れることが出来ます。
遺産は手に入らなくなりますが、借金の支払いも免れます。
相続の放棄はあなたの身を守るための正当な手段なのです。しかし、この相続放棄は急がなくてはなりません。
相続放棄の手続きは家庭裁判所に申述することで行われますが、期間は相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内と非常に短期間となっているので注意が必要です。
3ヶ月もあるなら大丈夫じゃないか、と思いますがお葬式の後のバタバタのなかで必要な書類を用意しながらの手続きはなかなか上手く行かないものです。
不動産や株など金銭評価に時間が掛かる、連帯保証人が誰でどうなっているのかなど、相続財産の全体が掴めないなどが典型的です。
この3ヶ月を過ぎると、原則として相続放棄はできなくなり、全てを相続する扱いになります。
借金があるときは借金も自動的に相続し、その支払をしなければなりません。家や土地がある場合固定資産税の支払いもあるでしょう。
何もしないまま時間が過ぎると取り返しのつかない事態になります。
しかし、相続人は時間や仕事の都合が悪くて相続放棄の手続きが出来ない、このままでは放棄したいのに責務が自動的にその人に引き継がれてしまう!
自分の旦那さんや奥さん、自分の父や母が借金をいきなり背負う所なんて見たくないですね。
自分達は何も悪くないのに、放棄するつもりだったのに、と行き場のない不満が積もるばかりでしょう。
私も亡き母親の借金の督促がいきなり裁判所から届き、相続放棄の為に大分まで何度通った事か…。負の財産、怖いですよね。
— あやか@低音のChage(C)/ヘッドセッ党 (@ayaka19790825) June 25, 2019
遺産の相続放棄、迫るタイムリミットに向けて相続人ではない人が出来ることは無いのでしょうか?


Contents
相続の放棄は代筆出来る?必要なものは?

遺産の相続は若い人達だけに起こるものではありません。
高齢になった両親にも発生するときがあります。ご家族の中には体が不自由で申述書に直筆で記入するのが難しい人もいますね。
時には家庭環境の問題で相続人はこれ以上その家族と関わりたくない人もいらっしゃいます。
本人が申述書へ記入が困難な場合、そんな時は他の人間が代筆することが可能です。
必要書類として相続放棄申述書、故人の住民票除票または戸籍附票、手続きする人の戸籍謄本の他、手続きする人と故人との関係によってさらに書類が必要ですので注意してください。
以下の書類は、相続放棄の手続きにおいて必ず必要となる書類です。
相続放棄申述書、代筆を頼むなら最終確認はしっかりと。

この書類は家庭裁判所に遺産相続を放棄する意思を示す書類になります。
被相続人(亡くなった方)や相続人の本籍、住所、氏名等の情報に加え、相続人が相続を放棄する理由や相続財産の概要について記載する必要があります。
本来は本人が記入するのが望ましいですが都合により記入できない場合もあります。そのため、この書類は代筆を行うことが出来ます。
記入に不備やミスがあると書類を受理されない可能性もあるので、しっかり準備と確認をしましょう。


引用 裁判所ホームページ【相続の放棄の申述書記入例(二十歳以上)】
相続の放棄の書類にある署名・押印を相続権がある本人が行えば、その他の部分は他人が記載しても問題ありません。
申述書は申請する人が未成年(20歳未満)の場合は法定代理人を立てて申立てする必要があります。そのため、申述書の書き方も多少変わってくるので注意が必要です。

ただし、しっかりと他人が記載した書面の内容を理解して権利人が署名・押印する必要があります。



集めるのが大変な戸籍謄本、故人との関係で枚数も変わる?

戸籍謄本(こせきとうほん)ですがこれが最も大変かもしれません。
住民票などを市役所で貰いに行く人は多くても戸籍謄本をもらいに行った経験はあまりないかもしれませんね。
- パスポートの発給を申請するとき
- 本籍地以外の市区町村に婚姻届を提出するとき
- 生命保険を請求するとき
- 年金を受給し始めるとき
- 遺言書をつくるとき
- 相続の手続きをするとき などなど
戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役場に対して申請をし、手続きします。
なので、本籍地のある市区町村役場に本人や委任状を持った代理人が出向けばその場で取得できます。
しかし本籍地が遠くの場合、そこへ行くのも大変ですが、その場合は郵送してもらうことも可能です。
最近ではコンビニ交付を導入している市区町村であれば、コンビニでも発行することが出来るようになりました。
コンビニでの交付にはマイナンバーカードが必要なことやすべての市区町村で導入しているわけではないので注意してください。
必要なのは相続放棄する人の戸籍謄本に加え、申請する人と被相続人との関係によって以下の戸籍謄本が必要になってきます。
どのケースでも共通して必要な申請者本人の戸籍謄本
- 相続放棄する人の戸籍謄本
相続放棄する本人の戸籍謄本は共通して必要です。それに加えて、申請する人と故人との関係により追加の戸籍謄本が必要になってきます。
相続放棄する人が被相続人の配偶者や子どもの場合
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
必要な資料も少なめで世間でよく聞く相続関係でしょうか。必要とする書類も申請者がしっかり相続の権利を持つ関係かを証明するためのものです。
孫やひ孫が代襲相続したけど相続放棄したがっている
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
- もともとの相続人だった人(被代襲者)の死亡の記載のある戸籍謄本
こちらもドラマや漫画などで見かけるケースですが、孫やひ孫が相続放棄する前に本来相続するべき人間が存命では無い事を証明するために資料が少し増えます。
被相続人の父母が相続放棄をするケース
- 被相続人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 死亡した子と孫の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
戸籍は1人につき一つのイメージをお持ちかもしれませんが、引越しなどで本籍を変えたり、国の都合で戸籍の様式を新しくしたりで、1人につき何枚かあるのが普通です。
遺産相続は家系図を見て被相続人の婚姻関係にある人かその子どもに相続されていきますが、子供や孫を含めて相続人がいない場合もあります。
その場合は父母など尊属(そんぞく)に当たる人に向かいます。
父母が相続する権利があり優先順位になる子供がいないことを証明するためすべての戸籍が必要になります。
また、被相続人に子や孫がいても、その子や孫が亡くなっていたら子または孫のすべての戸籍謄本が必要です。
被相続人の祖父母が相続放棄をするケース
- 被相続人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 死亡した子と孫の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 亡くなった父母の死亡の記載のある戸籍謄本
祖父母が相続放棄をする立場、すなわち、推定相続人であるということは、被相続人の子、孫に加えて父母が亡くなっているか、相続放棄をしているかということです。
亡くなった人の兄弟・姉妹が相続放棄をするケース
- 亡くなった人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 死亡した子と孫の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 亡くなった父母および祖父母の死亡の記載のある戸籍謄本
亡くなった人の甥・姪が代襲相続して相続放棄をするケース
甥や姪、つまり亡くなった人の兄弟姉妹の子供たちが相続人になったということです。
- 亡くなった人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 死亡した子と孫の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本
- 亡くなった父母および祖父母の死亡の記載のある戸籍謄本
- 相続人になるはずだった人(亡くなった人の兄弟姉妹)の死亡の記載のある戸籍謄本

戸籍謄本を集めるのはすごく労力が必要で、どうしても時間がかかるので心が折れそうになりますが自身の今後のためにも手を抜いてはいけません。
推定相続人から離れた関係になるほど必要な書類が増えていきます。
住民票除票か戸籍の附票、故人の最期はどこですか?

被相続人の最後に住んでいた住所を証明する資料になります。住民票の除票か戸籍の附票のどちらかが必要になります。
亡くなると住民登録は抹消されてしまため、住民票ではなく住民票の除票が必要です。これには死亡年月日も記載されます。
住民票の除票と戸籍の附票は両方とも市役所で申請することで取得できますが基本的には本人しか請求できないものであるため、本人以外が請求する場合は除票が必要な理由やその理由を証明できるもの、身分証などが必要です。
収入印紙、相続破棄の手数料は?

相続放棄申述書に800円分の印紙を貼ります。
郵便局
コンビニ
金券ショップ
ネットオークション
法務局などの役所


郵便切手、相続放棄申述書を送るだけでは終わらない?

家庭裁判所は相続放棄申述書を受け取ると、おおよそ2週間以内に申述人へ「あなたは本当に相続放棄をしますか?」等の申述人の意思を確認する書類を送付します。
照会書と回答書と呼ばれる書類ですが一緒になっている場合もあります。
この書類は放棄の事実を把握しているか、強要されていないか等を申述人本人に確認することが目的です。この照会書を送ってもらうための切手を入れる必要があります。
枚数は管轄の家庭裁判所に電話で確認する必要があります。



回答書はミス厳禁
家庭裁判所から郵送されてきた回答書には質問事項が書いてあります。
申述はあなたの真意に基づくものですか、どういう理由で相続放棄をするのですか。
などです。
質問に対して、単純に回答すればいいのではありません。法的に問題のない形で、正確に返答することが求められるのです。

難しく感じるなら委任状渡してプロにお任せ?

申請できるチャンスは1度きりなのにやり直しが出来ず、記入した内容が問題ないのかなんて私達にはわからないですよね。
絶対にミスが出来ない相続放棄の手続きに不安がある人はどうすればいいのでしょうか。その場合には専門家に相談してみてはどうでしょうか。
プロに任せる利点、それは手間が無く、手続を確実に進められることです。
序盤にも言ったように、普段一般人である皆さんが相続に関わる機会はそう多くありません。
- 管轄の家庭裁判所を調べる
- 相続放棄申述書を作る
- 必要書類を集める
- 管轄の家庭裁判所に申立てを行う
- 家庭裁判所から届く回答書に記入をして返送する
というのが相続放棄の流れになってくるのですが、遺産放棄の手続きというものは送る書類に不備があってはいけません。
相続放棄照会書・回答書には細かな質問がいくつかあります。これらの回答項目に適切ではない書き方をしてしまうと、相続放棄の申述が認められない場合もあります。
書類の作成や収集、提出などの手続きは非常に面倒で時間もかかり、忙しい人には大きな負担です。
遺産の内容を調査する時間も考えると3カ月の期限を過ぎるかもしれません、そもそもどうやって調べればいいのかも分かりませんよね。
時間や手間、法的な部分で不安がある人はそれらの作業を専門家にお任せしてみては如何でしょうか。
書類の書き方に不安があるなら司法書士に
遺産放棄については弁護士と司法書士のどちらかへの相談になりますが、代理権の範囲が異なります。
司法書士への依頼が可能なのは、書類作成の部分になります。
書類の作成や代筆は司法書士が行い、署名押印は本人が行う必要があります。申述の手続きは本人が申立てをする扱いとなり、相続放棄照会書や回答書の送付先も申述人の住所になります。これらの書類についても作成名義人は申述人本人になります。
必要な書類を集めるのは大丈夫だけど書類の書き方に不安がある人や代筆は司法書士に相談されるのもいいかもしれません。
全部を任せるなら弁護士へ
弁護士に相続放棄の申述手続きを依頼をすると、弁護士には完全な代理権があるので弁護士名で申述をしてくれて、弁護士の申立扱いになります。
相続放棄照会書や回答書などの書類も弁護士事務所に送られる事になり、これらの書類作成も弁護士名でできるので、依頼者であるあなたが対応する必要が一切なくなります。
弁護士に相談できるのは申述手続きだけでなく、相続放棄すべきかどうかの判断が難しい場合や相続する財産の全体が分からず調べたいとき、必要な書類がわからない時なども相談する事ができます。
相続放棄の手続きは司法書士よりも弁護士の方がカバーしてもらえる範囲が広くメリットが大きいため、初めての事で右も左も分からない人には弁護士に依頼することをオススメします。


費用に関しても最近では司法書士と弁護士とではあまり差が無くなってきているようで、法律相談などの相談料自体を無料にしているところも多数あります。
弁護士も司法書士も料金は事務所によって違いがありますが、平均的には5万円前後が多く、低額なところでは2~3万円代で依頼できることもあるようです。
依頼内容も書類の代行だけを低額で行い戸籍の収集等は別料金で取り扱う事務所や、相続放棄をする人数によって料金が変わる場合、トータルで一括サポートしてくれる事務所など様々です。
司法書士か弁護士のどちらに依頼するのか、その事務所が対応してくれる内容と料金を比較し考慮してみてください。
まとめ
如何でしょうか、法律に関係する部分もある遺産相続ですがまとめてみます。
遺産相続の放棄は代筆が可能。
- 相続放棄申述書
- 相続放棄する人の戸籍謄本
- 亡くなった方の戸籍謄本
- 亡くなった方の住民票除票(もしくは亡くなった時点の住所が分かる戸籍の附表)
- 収入印紙800円分
- 郵便切手
相続破棄には上記の書類を管轄の家庭裁判所に郵送。
照会書と回答書が送付されるので回答書に記入し、家庭裁判所に送付。
これで受理されれば相続放棄申述受理通知書(再発行不可)が送られてきます。手続き完了です。
申請中に借金の支払いの連絡があっても絶対に遺産には触れず、相続放棄の手続き中であることを伝え、届いた相続放棄申述受理通知書のコピーを債権者に送れば債務の放棄も完了です。
もし、相続放棄申述受理通知書を紛失してしまっても、再発行できない代わりに相続放棄申述受理証明書を発行してもらう事が出来ます。
上記の手続きには時間と労力が必要になります、時間をかけたくない人、自分や家族では分からないから代筆してほしい人は司法書士や弁護士の力を借りることも考えてみてくださいね。
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