相続放棄の必要書類は何?兄弟姉妹の相続放棄だと何が変わる?

ご家族が亡くなると、悲しみのなか葬儀の準備を行います。実際に葬儀を執り行っても、気持ちがついていかない人がたくさんいると思います。

しかし、こうして故人を見送ったあとは、遺産についても考える必要があります。なんとも現実的な気もしますが、これもご遺族が通る道なのです。

遺産には、現金や不動産などのプラスなものだけでなく、借金や住宅ローンなどマイナスなものもあります。プラスな遺産はいくらでも相続したいですが、マイナスな遺産なら「相続を放棄したい」と思うのが普通ですよね。

もし亡くなった家族に負の遺産がある場合、相続放棄をすることができます。

今回は、遺産の相続を放棄するときに必要な書類や手続きの流れについて解説したいと思います。

こんな方におすすめ

  • 遺産を相続放棄したい人
  • 相続放棄に必要な書類について知りたい人
  • 相続放棄の手続きの流れを知りたい人

 

相続放棄の必要書類について!戸籍抄本?謄本?

相続放棄に必要なものとはいったい何でしょうか。

相続放棄の必要書類は、相続放棄する人は誰でも必要な書類と、相続放棄する人と被相続人(亡くなった人)との関係によって変わる必要書類があります。

まずは、相続放棄する人が誰でも必要な書類から見ていきます。

相続放棄に必ず必要な書類
  1. 相続放棄申述書
  2. 相続放棄をする人(申述人)の戸籍謄本
  3. 被相続人(亡くなった人)の住民票の除票
  4. 収入印紙
  5. 郵便切手

相続放棄申述書

相続放棄申述書とは、「私は相続を放棄します」と家庭裁判所に伝えるための書類です。この申述書に書く内容は、相続放棄する人や被相続人の情報、資産や負債の状況、放棄する理由などとなっています。

この相続放棄申述書は、裁判所ホームページからダウンロードすることができます。書き方の例もありますので、確認しながら記入することができますよ。

相続放棄をする人の戸籍謄本

相続放棄する人(申述人)の戸籍謄本も、申述書と一緒に提出します。

被相続人(亡くなった人)の住民票の除票

住民票の除票とは、転出した場合は転出先や転出の年月日、亡くなった場合は亡くなった年月日が記載された住民票のことです。

収入印紙

収入印紙は、相続放棄申述書に貼ります。800円分の印紙を用意して貼り付け、消印は押さずにそのまま提出しましょう。

郵便切手

郵便切手は、相続放棄が受理され、家庭裁判所から通知を送るときなどに必要です。家庭裁判所によって必要な郵便切手の額が変わりますので、各家庭裁判所へ確認しましょう。

 

被相続人との関係別!必要書類

次に、被相続人との関係によって異なる必要書類についてまとめてみました。

被相続人との関係 必要書類
配偶者
  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本
父母・祖父母
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の子で、死亡している人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 直系尊属で亡くなっている人がいた場合は、その人の死亡の記載がある戸籍謄本
兄弟姉妹
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の子で、死亡している人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 直系尊属の死亡の記載がある戸籍謄本

上記の被相続人との関係で、相続の優先順位は①配偶者→②子→③直系尊属(父母など縦の血族)→④兄弟姉妹、となります。

相続の優先順位が高い人が相続放棄をする場合は、必要書類が被相続人の戸籍謄本のみとなっています。反対に優先順位が低い直系尊属や兄弟姉妹が相続放棄する場合には、必要書類が増えていまますね。

なぜかというと、直系尊属や兄弟姉妹が相続放棄するには条件があるためです。

優先順位が低い続柄の相続放棄の条件
  1. 被相続人に子や配偶者がいない・亡くなっている
  2. 被相続人の子や配偶者が全員相続放棄した

つまり、条件の1に当てはまる人は「相続の優先順位が高い人が亡くなっています」と示す書類も必要になる、ということですね。

 

相続放棄の手続きはどうやる?

相続放棄の手続きは、必要書類をそろえて家庭裁判所へ申し出るだけです。必要書類が不備なく準備できた場合は、郵送での申し出ることも可能なのです。意外とカンタンですよね。

必要書類をそろえ、裁判所へ提出すると、3~4日後に「相続放棄申述受理通知書」という書面が届きます。この相続放棄申述受理通知書が届けば、申し立て手続きは完了です。

もし必要書類の準備や提出がスムーズにいけば、最短で1週間程度で済む手続きなんです。

相続した方がいいか、相続放棄がいいのか、複雑な場合は弁護士さんに調査をお願いする手もありますが、自分で手続きを済ませることができると金銭的にも時間的にも負担が少なくていいですよね。

できることなら、直系家族の遺産については、生前に情報を収集したり、家族・親族で話し合いをしておくとトラブルも少なくてすむと思います。

申し出をする裁判所は、被相続人の最後の住所の管轄にある家庭裁判所となっています。裁判所の管轄は、裁判所ホームページから確認することができます。

 

相続放棄の注意点

相続放棄の期限は3ヶ月以内

この3ヶ月の間に、遺産相続をするか相続放棄をするかを考えて手続きをしなければなりません。遺産や借金の額を調べるのにも時間がかかることがあるので、調査はすぐに着手したほうがいいでしょう。

3ヶ月って、どの時点からカウントするのかも疑問ですよね。正確には相続があったことを知ってから3ヶ月以内となっていますが、それもあいまいな表現だなと感じてしまいます。

そこで、亡くなった日から3ヶ月以内と覚えておくといいと思います。その認識で間違いはないでしょう。

ただ、先にも述べた相続の優先順位が低い人(兄弟など)で、被相続人の配偶者や子が存命の場合は、ご家族が亡くなってすぐに「私にも遺産相続がある」とはならないのでむずかしいですよね。そのような人は「被相続人の配偶者や子が、相続放棄したことを知ってから3ヶ月以内」に手続きをすれば間に合います。

相続放棄申述受理通知書は保管する

断捨離のススメが広がる現在ですが、相続放棄申述受理通知書を受け取り、「これで無事に、相続放棄放棄できたのね」と通知書を処分しようと考えている人、ちょっと待ってください。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄した人が使うことはほぼないでしょう。しかし、必要になるケースもあります

例えば、相続人に借金などの債務があった場合、債権者から督促状が届くことがあります。そのときは、「相続放棄をしました」と証明できるものが必要になるのです。

受け取った相続放棄申述受理通知書は、すぐには処分せず念のため保管しておきましょう。

相続放棄申述受理後は、相続放棄の撤回ができない

「相続放棄の手続きには期限があるんだ。急がなきゃ」と焦って手続きして、あとで「あれ、相続したほうが良かった」となってしまうと、とてもややこしいばかりか、別のショックを受けてしまいそうですよね。

いったん相続放棄申述が受理されると、相続放棄を撤回しようとしても不可能です。

第919条
相続の承認及び放棄は、第915条第一項の期間内でも、撤回することができない。

引用:WIKIBOOKS

相続放棄をすると、相続権のなかった人が相続人となったり、相続割合が変更になったりします。そうした相続手続きを進めていく中、自分の都合で「やっぱり相続放棄なしで!」というのは、他の相続人の混乱を招いてしまいますよね。

こうした混乱を招かぬよう、民法で定められているのです。

しかし、「相続を放棄しろ、と脅されてしまった」といった場合や「相続放棄しないと君が借金返済をするはめになる、と噓をつかれた」という場合は、詐欺・脅迫にあたるため、そのような場合は続放棄を取り消すことができます

もしも詐欺や脅迫が理由で相続放棄してしまったら、家庭裁判所へ「相続放棄取消申述書」などの書類が必要になります。あまりないケースだと思いますので、どこか頭の片隅にでもおいててくださいね。

 

まとめ

記事のまとめ
  • 相続放棄に必ず必要な書類5つ【相続放棄申述書・相続放棄をする人(申述人)の戸籍謄本・被相続人(亡くなった人)の住民票の除票・収入印紙・郵便切手
  • 被相続人との関係によって、必要になる書類が異なる
  • 相続放棄の手続きは、必要書類をそろえて提出or郵送
  • 相続放棄の手続きの期限は、相続を知った日から3ヶ月以内
  • 相続放棄申述受理通知書が届いたら、しばらく保管する
  • 相続放棄申述が受理されると、撤回できない

ここまで、遺産の相続放棄について解説しました。相続放棄にあたって、ここでご紹介した内容が少しでもみなさんのお役に立つことを願います。

 

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